3月11日
仕事が上手くいった後の冷たいビールは最高だ。
8:30にセットしておいた携帯のアラームは完璧。その後の2度寝さえなければ。再び意識を取り戻したのは8:55。もう一度繰り返そう。本日出社予定時刻:10:00。自宅から会社までの所要時間:40分。
15分で準備すりゃあいいんだろ、と快適な寝床を後にする。机の上のメガネを取って・・・?あれ、メガネがない。賢さ-1だ。
こんなことは日常茶飯事、風呂に入った後、メガネを掛けずに自室に戻ったんだろ、いつも服を脱いでる居間のコタツの上・・・にもない。そういえば、昨日の帰宅は遅かった。ガレージの車の中で眠っていたからな、そーかそーか、助手席に置きっぱなし・・・でもなかった。おいおい、今日は保護者会なんだぜ。コンタクトじゃあ、目つきが鋭いって言われるぜ。「D先生、今日はカッコつけてやんの」とか塾生に笑われるぜ。
そうは言っても、ないものはない。背に腹は代えられない。コンタクトをポケットにしまって、車のダッシュボードに積んである、予備のメガネを装着して、いざ出発。視力を回復させて助手席をふと眺めてみると、助手席の足元に光る、GUCCIの刻印が入った見慣れた物体。そーかそーか、助手席から滑り落ちていたか。賢さ+1。
ちなみに、10:00の段階でパワーポイントの完成率:80%、配布資料の完成率:20%。19:30まで10時間近くある。Dの座右の銘?ケ・セラ・セラ。
おやっさん挨拶→年間スケジュール→志望校決定の目安→ポジティブ・シンキング→春期講習の概要、が今回の保護者会の流れの予定。感動話を入れると、塾生・保護者の受けがいい、ということを学習したので、今回もそれを踏襲。
現中1担任かつ新中2担任の上司T(ちなみにDは現中2担任かつ新中3担任)との協議の結果、保護者会は同日同時間帯に行うことを決定したのが2週間前。他意はない。つーか、普通ずらすだろ。なーに考えてんだか。会場設営の手間も2倍、駐車場は混雑、プロジェクタもスクリーンも2つずつ必要。同日は構わないが、30分くらいずらして行えば、スタッフも1学年に集中できるってもんなのにな。まあ、上司には逆らえない。
もっと逆らえないのが、おやっさんの挨拶。話下手のくせに、延々と話が続く。まるでラクダのションベンだ。以前書いたと思うが、保護者会アンケートの「あまり役に立たなかった欄に○をお付け下さい」で、ギャグで付け足した「ア:塾長あいさつ」に○が集中したのは、怖くておやっさんに見せていない黒歴史。
当然、お互いにおやっさんの押し付け合いになる。今回は、おやっさんが先に現中1→終わったら現中2の方に来る、ということで落ち着く。話の順番を、年間スケジュール→春期講習の概要→志望校の目安→ポジティブ・シンキングに変更。おやっさんがやって来た段階で、おやっさん挨拶を挟むことに。
19:30、定刻に保護者会開始。19:50、春期講習の概要が終わりかけの頃に、Oyassan strikes. ここでDには2つの選択肢。(1)時間が推している。おやっさんなんか無視して次いこ次。(2)仮にも代表取締役だぞ。ヒラ社員が勝手な判断をしてはいかん。予定を差し替えておやっさん挨拶へ戻るんだ。
塾生の味方、Dの選んだ答えは(2)。ああ、なんで(1)を選ばなかったんだろう。おやっさんの話は延々20分。あれほど「挨拶は5分で」と言って聞かせたのも、お耳に届かなかったらしい。殺意を感じながら、耐える、耐える、耐える。選択肢を間違えてバッドエンドを迎えても、知得留先生もタイガー道場も出てきてくれたりはしない。
塾生・保護者のアクビが目立つ中、ようやくD解放されり。さて、志望校の目安の話をするか。3分経過→おやっさん居眠り。
ぷちっ。
正義の鉄槌が下されることを切に祈る。ポジティブ・メッセージも上手く伝わり、なかなかよい保護者会に仕上がったと思う。・・・15分推しさえしなければ。
おやっさんのコンサル狂いのせいで、馬鹿げたシステムが会社に導入されつつある。「おやっさん」と「塾生アンケートで全従業員中、断トツの最低評価を食らっている副塾長」を切れば、万事円満に解決すると思うのだが。
Dの最大の悩みは、新中3の学年担任を拝命したことではない。行き場を失いつつある副塾長が、「私がやりますよー」と新中3の数学の担当になってしまったことだ。今から退塾防止のフォローに回るのが、嫌で嫌でしょうがない。
たくさん仕事は残っているが、今週最大のヤマ場は乗り切った。23:00会社を出る。
24時間営業スーパーで、しこたま食材を買い込み、自宅での晩餐を思い浮かべつつハンドルを握っていたのだが、ふと、明後日が中3生の本番の試験だということを思い出す。ちょっと行き過ぎてしまったが、受験でご利益のあるA倍M寿院を詣でることにする。
Dの地元にある神社なのだが、詣でるのは生まれて初めてだ。1度、詣でようと試みたことはあるのだが、地理が複雑すぎて断念。どうやら、1つ向こうの門で曲がってしまったのが原因のようだ。今回は案内標識を見ながら慎重に道を進める。閉まっていることも覚悟して入ったのだが、運よく駐車場も開いていた。つーか、昼間来ると、駐車場代500Gも取られるのか。バスなら2000G。うーん、ボッてるなぁ。
本殿はちょっとした丘(山?)の上にある。背の高さ+10センチくらいの赤い鳥居が延々と続いている。その幅は人2人がすれ違うことができるギリギリの長さだろうか。ジグザグの登り道の参道を、ゆっくりと踏みしめて登る。
現中3の全盛期の人数は120人ほど。私学専願者や特色選抜合格者もおり、現在の人数はその半分ほど。1人10円だ。そう思って小銭入れから500G玉と100G玉を1枚ずつ取り出す。その拍子に小銭が数枚、転がっていく。5G玉と1G玉が1枚ずつ。いったんは小銭入れに直しかけたが、気を取り直して5G玉は一緒に供えることに。ご縁がありますよーに。全員が合格しますよーに。ふと振り返ると街灯や家の灯りがちらほら。「合格しろよっ」大声で叫ぶつもりが、照れ隠しでそんなに大きな声にはならなかった。
帰宅後、ここ数日間の苦労を労って、一人宴会。「この世で一番美味いのは、対局に勝った後の冷えたビール、この世で一番不味いのは、対局に負けた後のぬるいビール」の名言を残した棋士もいるとかいないとか、とにかく、仕事が上手くいった後のビールは格別だ。
明日は休み。出かけるか引きこもるかは出たとこ勝負。いきあたりばったりとも言う。生ハムとスモークチーズを半分残しながら、おやすみなさい。
3月12日
先崎学のエッセイが大好きだ。
小4で将励会入り、87年四段(プロ棋士)昇進、90年度NHK杯優勝、91年若獅子戦優勝、98年竜王戦挑戦者決定戦進出、00年A級入り(八段昇進)、05年王位戦挑戦者決定戦進出。現在の順位戦はB級2組。「早すぎる退衰」と嘆かれている。
将棋界を熟知していれば勿論のこと、将棋界に詳しくなくても、彼のエッセイは十分に楽しめる。おお、神よ、あなたは彼に二才を与えたもうたか。最近、彼の将棋界での活躍は聞かれなくなったが、文筆業としてもやっていけるだろう。ちなみに、羽生善治の戦術書は非常に面白いが、エッセイは大して面白くない。だが、将棋以外のことでも勝負術に通ずる「決断力」という著書は、ビジネス書としても参考になる。
Dが将棋世界を再購読するきっかけとなったのも、彼の将棋紀行文が連載されると知ったからである。インターネット→週刊将棋→将棋世界(月刊)の順で、速報性と密度が反比例する。インターネットで結果、週刊将棋で将棋の内容、将棋世界で盤外戦を楽しむのが通例だ。
彼がNHK杯で優勝した年、Dはまだ小学生だった。当時Dは、NHK杯の棋譜をチラシの裏に書き込んでおり、当然、先崎の将棋も棋譜を取ろうと、日曜10:20(10:00からの20分は将棋講座で、対局が始まるのは10:20からである。もちろん講座も見ていた)コタツに入って、先手の先崎の初手が指されるのを待ち構えていた。
将棋で先手になったときの初手は、7六歩か2六歩、このどちらかである。99%、これである。奇策として、端歩を突く1六歩や9六歩もある。あの時先崎が指した初手は、これらのうちのどれでもなかった。
3六歩。ポカーン。後手が角道を開けたら、すぐに袖飛車にしますよ、つまりは角道は突かせませんよ、といった手。だが、3六歩そのものを守る手段が乏しく、将来、そこを目標に反撃される恐れがある。
事実、当時親しかった、将棋好きの喫茶店のおっさんにこの棋譜を見せたところ、「2六歩の間違いちゃうか」と、ごく自然な感想をもらった。子供心に、暗に「お前、書き写したんとちゃうか」と言われたようで悔しかった思い出があるのだが、だが、NHK杯決勝の檜舞台で、初手に3六歩を選択できる棋士がどれだけいるだろうか。彼はエッセイで明かしているが、他にも、日本シリーズという花形棋士しか出られない公式戦で、現佐藤棋聖を相手に、後手9四歩→9五歩という、二手パスのような手を試みている。このときは流石に天誅が下った。要するに、ウケ狙い。もちろん、勝算がないわけではなかったろうが、根がエンターテイナーなのだろう。だからエッセイが面白い。
12:00起床。麻雀をするために難波へ向かう。途中、選挙の立看板が設置されてあった。そうか、もうすぐ知事選か。Dはいわゆる無党派層。ニュースでよく、投票用紙に「ヒゲ」とか書かれてあるのが有効票かどうか波紋を呼ぶときがある。Dもそれにあやかろうか、などと不届きなことを考えている。知事選は大差がつくだろうから、市議会議員選の、当落線上の候補者あたりを狙って書いてやろうか。
月曜日に大阪へ出かけるのは理由がある。週刊将棋は、通常水曜日発売だが、駅売の場合は月曜日発売なのだ。今回もキオスク(正式な英語だったとは、昨年の某私学入試を見るまで知らなかった)で週刊将棋を購入・・・するつもりが、今日は新聞の休刊日で、販売は明日以降になるとのこと。無念。
Dは大学生時代、10ヶ月ほど新聞配達(朝刊のみ)のバイトをしたことがある。所属していた合唱部で、ヨーロッパへの演奏旅行の話が持ち上がり、旅費を稼ぎ出すのが目的だった。結局、演奏旅行の話はお流れになってしまったのだが。
23:00就寝→3:00起床→6:00帰宅・再就寝→12:00起床・準備して12:30の合唱部の練習へ、という生活サイクルだったと思う。Dが引きこもりにならなかったのは、合唱部(グリークラブ)のおかげだと、今でも思っている。当然、午前中の授業なんて出席しなかった(いや、午後もだが)。語学も1回は落とした。Dの大学ではキリスト教が必修だったのだが、授業に出たのはほんの数回程度。よく単位を取れたと思う。
幸いなことに、キリスト教以外の必修科目(語学・ゼミ)は全て午後の授業だった。理系の連中が授業準備であたふたしている間、Dたちは第6別館(Dの大学には第5別館までしか存在しない)と呼ばれる、雀荘やビリヤード、はたまたD宅で麻雀と、遊戯に興じていたものだ。今思えば、その頃の過ごし方が、現在の境遇の格差を生んでいるのかもしれない。
新聞配達のバイトをしていた頃は、月に1回の休刊日が待ち遠しくて仕方なかった。休刊日の前日だけは、しこたまアルコールを召して就寝できる。それでも3:00頃に目覚める律儀なD。起床時に雨の音が聞こえると、憂鬱で仕方なかった。
大雪が降り、坂の途中に止めてあったメイト(ヤマハ製の50ccのバイク。ホンダのカブみたいなもん)がずるずると滑り落ちていったこともあった。雨の日に大量に新聞を落としてしまい、ベソをかきながら販売店へ戻っていったこともあった(幸い、上のほうの2~3部を取り替えるだけで済んだ)。バイトがあるから、と友人宅の麻雀を抜け出し、豪雨の2号線を、猛スピードで駆け抜けたこともあった。その頃に比べると、今の暮らしのなんと快適なことよ。現在のDの精神はたるんでいる。キリリと締め直す必要がある。
金龍ラーメンで腹ごしらえをした後(ここのキムチは本当に辛い。キムチ・ニラ・ライスは取り放題。ラーメンとご飯2杯とキムチ・ニラを食すのがD流。ご飯を1杯食べ終えた後で、ラーメンにニンニクをたっぷり放り込むのが気持ちいい)、いざ戦場へ。
今日のDは、攻めの意識が強かった。序盤は結構アガリに回れた。転機を感じたのは3順目でこんなリーチを掛けてアガれなかったこと。
五六七③④⑤⑥⑦⑧⑨123 ドラ:9筒
決定的だったのは次局。
①①③⑤(赤)⑥⑥⑦⑧白白 東東東(ポン済) ドラ:九萬
ここに上家から4筒が出てくる、Dはこれを⑤・⑥で食って打3筒とし、1筒と白のシャボに受けた、だが、ここは①・③で食って打1筒とし、4・7筒待ちの両面にしたほうがよかった。純粋に枚数が2倍近く違う。
動揺はツモに影響するのか。2順後、泣きたい気持ちで4筒をツモ切る。結局この手を成就できず。終わってみれば、10半荘で1着2回・2着2回・3着3回・4着4回。ゲーム代込みで、7000Gのマイナス。最近、勝ててないなー。
明日は中3生が公立高校の一般入試に挑む。Dも6:30に起きて、今年4回目の応援に行く。去年の生徒の、第1志望合格率は97%強。最終的には他人事なのだが、うちの塾生に限らず、全ての受験生が、持てる力を出し切って、最善を尽くしてきてほしい。
3月13日
今日は県内公立高校の一般入試実施日。今年4回目の応援に行く。
どーせ遅刻したんだろ、とお思いの画面の前のアナタ、失敬な。ちゃんと起きられたYO!ただ、愛用のコートを会社に置き忘れたことに気づいたのは2日前の晩。スーツにあまり似合わないダウンジャケットを羽織って、いざ戦場へ。
塾生が受ける高校で、Dの最寄の高校はS高校。だが、今回は部下のメスTが、どうしてもS高校の応援に行きたいと抜かすので、Dは会社所在地のK高校の応援へ行くことに。距離が倍近く違うんだぜ。
今年、Dの校舎からK高校を受験する生徒は9人。県内私学では、応援に行った高校の塾生受験者数が5人。10個入りのキットカットを買って、2つずつ配った。県外私学では9名。コアラのマーチを人数分配布。県内特色は4名。途中で辞めていった元塾生と遭遇したので、やはりキットカットを2つずつ。今回もキットカットを仕込んでいく。
K高校とS高校では、K高校の方がS高校より、偏差値が2~4高い。K高校を志望していたものの、直前でS高校に進路変更した(させた)生徒もたくさんいる。TがS高校を志願した理由もそこにある。倍率は、今年はS高校の方が高い。今Dにできることは、塾生が本番で100%の力を出し切れるように励まし、祈ること。ただ、それだけだ。
開門8:00の20分前、7:40に到着。おかげで、塾生全員とすんなり対面することに成功。キットカットを渡し、握手を交わす。
キットカットの残りの1個は、帰りの車内で食す。甘い。糖分はすぐにエネルギーに変わる。県内公立は数学が最も平均点が低く、英語が最も高い。昼食は3時間目数学と4時間目英語の間にある。緊張を100%解きほぐすのは無理な話だが、甘い、と感じる余裕を思い出してもらいたい。
いったん自宅に帰って休憩を取ることに。下界では7℃だった気温が、自宅に戻ると4℃まで下がっているとはこれいかに。標高500mは伊達ではないな。
仮眠を取ろうと思ったが、目が冴えて眠れない。緊張と、昨日食ったニンニクラーメンの興奮作用のせいか。リーフを仮回ししたあと、新中3の春期講習のクラス分けテストの採点を行う。・・・補習が必要だな。1年生の内容まで遡る必要がある。
今日は授業が1コマだけだ。夕方以降のことは、明日書くことにしよう。
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