2009年11月 1日 (日)

イギリス紀行文 其ノ壱

10月22日(木) 

タイトル。表題。

「英国」と表記するか「ブリテン」と呼称するか、「顛末記」か「漫遊記」か、それとも「酔夢譚」か。

12通りのコンビネーションの中から、松尾芭蕉とドラゴンボールにオマージュ。

「ロンドン」しか回っていないのだから、そっちにしてもよかったかな。まーいーや。

時系列を揃えるため、全日程を書き終えてから縦列になるよう更新を調整。

S駅7:30の関空行きのシャトルバスに乗車するため、おかんの出勤に便乗して7:00に自宅を出発。

滅多に物をなくさない親父が、ゴルフ練習場で携帯電話をなくしたとのこと。「Dのを使わへんのやったら貸してほしい」とのことだったので、仕方なく貸与。

S駅乗車の客は2名。絶対赤だー!

Y駅・T駅を経由するうちに、バスの乗車率は50%を越える。窓際の席は全部埋まっていたから、きっとそうだろう。

関空へは西行き。太陽は南から照りつける。つまり、バスの右側に座っていれば、快適なバスライフが楽しめるのだ!

そんなことも計算できない愚かな○ス豚が、眩しそうに日光をカーテンで遮断している。

可哀相に、座席を1つ隣にずらすという知恵も働かないらしぃ。

やべぇ、2度目なんで、明らかに1度目よりも言葉が悪ぃや。

バスは南HN道路へ。この道路が関空に通じているとは、知識では理解できていても、実感としては伴わなかった。

「この道路は、世界につながっている」

もし今一度、塾の教壇に立つようなことが許されるならば、生徒にこう演説ぶってやりたいところだ。

海やら倉庫やら観覧車やら、海辺に相応しいランドスケープとなったところで、いよいよ関空連絡橋に差し掛かる。

関空の設計者。

陸から何kmの所に立てたらいーのか、経済効果・地形・強度などが複雑にカルキュレイトされているはず。

納税者は、結果を教授するのみ。

関空到着9:00。バスを降りると、そんなに歩かないところに旅行代理店の窓口。

航空チケット引換券やら保険の説明やら、パブチケットやら空港使用料の出納やら、手続き関係を済ませた後、今回利用する航空会社であるKLMの窓口へ。

チケットをもらい、荷物を預け身軽になった後は、いよいよ荷物検査。

・・・の前に両替。時間と体力に余裕のあるうちに済ませておきたい。

S州銀行で両替すれば、1£につき1.5Gの優遇サービスを受けられるとは、帰国後に知ったところ。

メガバンクの1つであり、Dが口座を持っているM井S友で換金。

1£ ≒ 160G で換金。15MGが約930£に。

当初の予定は15MG。親父の進言で15MGに。

以前、カードを紛失したことがあり、解約手続きに追われた経験から、クレカは作製していない。帰国した現在、定職に就いたら(現在日本では、定職に就いていないとカードが作れんのだよ)カードを作ろうと誓っている。

海外で使える携帯電話の申込所も多い。この契約はしておくべきだったか。

国内便で慣れているとはいえ、「ビー」という不愉快な探査音に引っ掛かり、体中を隈なく調べられるのは、できるだけ避けたいところ。

デジカメや電子辞書などは、リュックに収めていればOK。

身につけている金属類・・・マネークリップ・小銭入れ・それにベルト。

メガネはだいじょーぶ。メガネっ娘も安心。

ベルトは、以前国内線で引っ掛かったことがある。用心にこしたこたぁない。

用心の甲斐もあって、荷物検査を無事通過。まぁ、Dを国外に出すこと自体が最も不適切な荷物かと以下略。

階を下って出国手続き。面倒な手続きになるのかと思いきや、パスポートを確認されただけで一発OK。赤いパスポートの威力やいかに。

搭乗口へは、モノレールみたいなのに乗って移動。

モノレールを降り、エスカレータを下ると搭乗口。機内用に、缶ビール3本とペットボトル入りのお茶を買い込む。

搭乗手続き開始と同時に、わっと群がる哀しいお国柄。Dは、ある程度列が収縮するまで待つ派。

手続きを終え、いよいよ機内へ。

「Seat number?」「Twenty-two」

乗車券をリュックにしまっていたため、スカイブルーのユニフォームが眩しい、恐らくオランダ人のスッチーに声を掛けられる。

簡単な英語表現で、Dのこれからの旅での英会話に自身を深める。

エコノミー。ぱっと見の感想は、国内線よりも狭い。

飛行機とゆーより、バス旅行に行くよーな感じ。これで果たして、11時間も我慢できるのか?

心配だった缶ビールの持ち込みは、何のお咎めもナシ。荷物検査を抜けた後に購入した物は、機内持ち込みOKのよーだ。

Dの座席は、お見合い席の1つ後ろのアイル。隣人は壮年カップル。

Dは、飛行機が浮上するときのGが掛かる感覚が大好きだ。海や高層ビルを眼下に、飛行機はすぐに雲上へ。

程なく、シートベルト解除容認のサイン。「解除してもよい」のサインであり、「解除しろ」のサインではない。

Dは、乱気流が怖いので、基本的にベルトは締めておく派。

外国人の、男性パーサーも多くみられる。国内便では、ついぞ見たことがないな。

空白だったお見合い席に、スッチーの先導の基、親娘連れらしき2人が移動してくる。そして、スッチーがD達に何か話しかけてくる。

やべぇ、何言ってるか、全然分かんねぇや。

日本の英語教育。読むこと・読み取ることには長けているが、聞くこと・話すことについては珍聞漢文。

中・高・大と10年間も勉強しておきながら、日常会話すら満足に行えないなんてどーよ。

「シングル、カポー」の部分は聞き取れたので、「あなたは1人旅で、あなた方は2人組ですね」くらいのニュアンスは読み取れたが、趣旨が全く理解できない。

「『席を移動してはどーですか』と言ってるみたいですよ」とは、壮年カップルの男性の側からの助言。

移動してきた親娘連れの親の方が、英語に達者らしく、通訳をかってでてくれる。

「ビジネスに空きがあるので、あなたがそこに移動すれば、この2人連れも席を広く使える。もちろん無料」とのこと。

エコノミーとビジネスの差額は、約30MG。これから先、ビジネスに乗ることも一生なかろーて。喜んでその申し入れを受諾。

機の前方に移動してみて、ビジネスの贅沢さを実感する。

エコノミーは、横に9列。ビジネスだと4列。

エコノミーは、バスと変わりない座席。ビジネスは、170度リクライニング可能。

登場の際「妊婦・子供連れ・それにファーストとビジネスの利用客」が優先して手続きを受けられることに、座席の等級で差別化を図るのかと憤りを感じたのが、遠い昔のよーだ。

日本は資本主義国家。資本主義と民主主義は、時として同義。

ただし、座席に着いてみたものの、ボタン類の操作が全く分からない。

幸いなことに、隣人の日本人の方は、旅に慣れていらっしゃる様子。ドリンクサービスでビールが頼めることも、映画の見方も、ゲームの遊び方も、全て顰に倣わせていただいた。

頃合いを見計らってコンタクトに成功。今回はコペンハーゲンまで社用らしい。

機内では、映画2本の鑑賞とゲーム三昧。結婚はしないと決めていたモテモテ男性が心を溶かしていくストーリィと、スタートレック。

「ウルトラクイズ」のオープニング曲が、「スタートレック」に由来していることを初めて知った。

ゲームは、テトリス・ソリティア・ポーカー・BJ・ミリオネアなどを堪能。

ミリオネアは、問題が英文で書かれているので、1問目から難問だぜ?

主としてポーカーに夢中。J以上の1ペアの役に応じてチップが増えていく。

コツを覚えれば、チップは増加の一途。「ブラフ」という対人戦ならではの戦術が醍醐味のゲームなんだと再認識させられる。

機内では、ビール3本と機内食2回を消費。運動しないのに肥やしのよーに食事を提供され続けるフォアグラの気分。

機内食の口の合わなさは覚悟していたのだが、想像していたほど酷いものでもなかった。

照明が落とされても、さほど眠気を感じない。やっぱ、緊張してるんだろーな。

いよいよ着陸態勢に入る。雲海を抜けると、そこは牧歌的な田園風景。

日本だと、海か山か都市風景なので、欧州に来たことを実感する。

高速らしき道路も見えてくる。5車線なのに高架じゃない。贅沢な土地の使い方。

着陸時特有の振動はあまり好きではないが、無事にアムステルダム空港に到着。

空港の下を、道路が走っていたのにはびっくり。高架橋の上を飛行機が走っている最中、下の車から見上げてみたい。

結局、関空で購入したビールは開けられることがなかった。

冷静に考えてみる。乗り継ぎの荷物検査で、缶ビールは金属検査でも液体検査でも引っ掛かる。

機内で水の調達は容易なので、水を掛けると毒ガスが発生する粉末なんかがあれば、液体検査など全く役に立たないと思われるのだが、法律家の気休めか。

それはさておき、缶ビール3本を短時間で消費するのは難しい。トイレに流すのも勿体ない。機内での礼も兼ねて、隣人に1本贈呈。

アムステルダム到着15:20。日本とオランダとの時差は8時間。なのに、Dのアナログ時計は22:20を示している。

「東京とロンドンの時差は?」「9時間!」とゆーのは、小学7年生なら正しい解答。大人なら「それは夏ですか、それとも冬ですか?」とニヒルに言い返してやらないといけない。

ロンドン行きの搭乗手続き開始時刻まで、1時間以上ある。まずは座るところを捜す。

適当な椅子においどを着けたかと思ったら、制服姿の係員が「ロンドン?」と訊いてくる。

「Yes」と応えてはみたものの、「ここはウチの航空会社専用の席であって、関係者以外は座れないよ?」くらいのニュアンスを感じたので、早々に退散。

幸いにして、別のイスを探し当てたので着座。

ビールには利尿作用がある。空港内のトイレを利用。

54に聞いていた通り、液体の注入口が極端に狭い。真円に近い。

しかも、腰の位置がやたらと高い。背伸びをするような格好で用を足す。

待ち時間に真っ先に行ったこと:ラブ+。

だって、毎日更新しないと、新しいイベントが起きないんだよ?

機内ではDSを触ることができなかった(今の容姿でラブ+を公的な場でプレイしていたら、甚だしいイメージダウン)ので、チャンスは今しかないのだよ。

時差を考慮して、18:00にデートの約束をしてみる。

「遅すぎるわ」「遊ぶ時間ないじゃん」・・・エラい言われようだ。

16:40、17:00でギリギリ妥協。精神の磨耗が激しいゲームだ。

胃はとても受け付けないが、強引に缶ビール2本を消費。日本から持参したピスタチオとサラミソーセージが肴。

お腹ちゃぽんちゃぽんで、とてもお茶は入りそうもない。意を決して、荷物検査で引っ掛からないほうにベット。

「Drink it」

・・・分の悪い賭けですた。

係官の目の前で、500mlのお茶の一気飲みを強要される。

「Quickly」

係官一流のジョークだとは思うのだが、目が笑っていない。趣旨の分からないDは、愛想笑いで誤魔化すしかない。

「こんなとき、どんな顔をすればいいか分からないの」リアル綾波状態。

目の前で飲まないと、飲料ではないとゆーことで、別室で訊問を受けることになってたのだろーか。とてもじゃないが、「だが断る」と言う勇気はなかった。

国内線なら、離陸30分前には機内にいることが義務付けられていたよーに思うが、国際線だからなのか国民性からなのか、16:20搭乗開始なのに、離陸時刻は17:20。

尿意を我慢しながら、本日2度目のフライト。シートベルト解除可能のサインが出た瞬間にトイレへ駆け込む。

機内で「逆転裁判2」に取り組む。被害者の左利きを証明しないといけないのに、被害者の左手に腕時計が填められているのは、これいかに。

アムステルダム - ロンドン の所要時間は1時間。時差も1時間。18:20ロンドン:ヒースロー空港に到着。間もなく最大の難関、入国審査。

54に聞いていた通り、「EU only」と「Others」2つのゲートがある。Dがどちらのゲートへ向かったかは、書くまでもないな?

列に並んでいる途中、他の連中が持っていて、Dだけが持っていないあるものに気付く。そう、入国カードだ。

名前やらどっから来たやら、パスポート番号やら英国での滞在先やら、そんなものを予め書いておいて、入国審査の時間を短縮しようというシステム。

機内で配っていたよーな気もするが、「I want this card」と申告することで解決。

「サイトシング」「フォーデイズ」までは想定問答。だが、次の質問が全く聞き取れない。

「イギリスに来るのは初めてか」という趣旨だとよーやく理解。「ファースト、ファースト」を連呼。

何とか入国審査を潜り抜け、荷物を受け取った後は、よーやく自由行動。

本日唯一にして最大の任務:ホテルまで辿り着くこと。

事前にインターネットで入手したホテルの情報には、最寄駅が記載されていない。「ロンドンシティ空港」から近いということだけを頼りに、地下鉄で移動予定。

とりあえず、地下鉄の構内に移動。ロンドンマップとにらめっこ。

まずはロンドン市街地まで移動することに。ヒースロー空港はロンドンの西側に位置する。

「パディングトン」という地名が、地下鉄の駅名とマップ内とに存在したので、まずはそこを目指すことにする。

○阪では、御堂筋線にしろ千日前線にしろ、そのホームに来た電車は必ずその路線の電車だ。

ところが、ヒースローステーションでは、電車の相互乗り入れが行われていたらしい(これは後で知ったことで、この時点のDには知る由もない)。

T京者にしてみれば、山手線と東横線の感覚か。

ロンドン地下鉄の初乗り運賃は高いと揶揄されるが、各駅ごとにエリアが指定されていて、どのエリアからどのエリアまで移動するかによって運賃が変わってくる。

ロンドン市街地がエリア1で、同心円状にエリアが広がっていく。

エリア1~6までのシングル(片道)運賃は、共通して4£。隣の駅で降りよーが、エリア6からエリア1を経由して反対側のエリア6まで行こーが、同じ4ポンド。

Dが購入したのは、パディングトンまでの片道切符。7.4£。

後で知ったことだが、これは地下鉄ではなく、別の鉄道会社が運営するものだったよーだ。「N田エクスプレス」みたいなもんか。

切符を買うところから、係員にじっと見られている。改札入り口は、切符を通すところはない。ただし、出口で切符を誤魔化していることが発覚すると、反則金50£。

左右両方に電車が来ている。考えナシに左の電車に乗ろうとすると、駅員に止められる。

左側の電車は、ヒースロー空港5番ターミナル行き。これも後で知ったこと。

現在19:00。日本時刻で朝3:00。疲労とアルコールと眠気とに耐えながら、意識を保たせる。

電車に乗り込んでホッとしたのも束の間、次の駅で大量に人が掃ける。

Dの車両には、係員が同乗していて、Dも半ば強制的に下車させられる。

係員はDの行き先を把握しており、乗り換えが必要であることを伝えたかったのだと思うが、このときのDにはチンプンカンプン。

次に来た電車に、周りがぞろぞろ乗車するのを見て、Dも乗車。哀しき国民性。

日本の地下鉄とロンドンのチューブ。相違点は山ほどあるのだが、この時点でのDの感想を列記してみよう。

・少なくともDの車両には、車掌の他に係員が乗車していた。

・中吊り広告が少ない。

・駅員が馴れ馴れしい。

・ドアは自動では開かない(ボタンを押す式。降りるときも)

・網棚がない。

・スーツケース置き場がある(これは、空港直結の電車特有の設備のよーだ)

車内でのロンドンマップの読み込みで、Dの向かうホテルは、ロンドン市街地をわずかに東に外れていることが判明。

ヒースローからロンドンシティまでの所要時間は、約2時間とある。つまり、Dのホテルまでの所要時間もそれくらいと見ておいてよさそーだ。

パディングトン駅到着。途中の停車駅は一切ナシ。

電車の写真をデジカメに収めた後、駅員につたない英語でホテルの最寄駅を尋ねてみる。

「ちょっと待ってろ」みたいなニュアンスを嗅ぎ取ったのち、駅員が1枚のリーフレットを持ってくる。

RPGかなんかで、特殊なアイテムを入手しないと先に進めないイベントがあったりするが、それを見たときのDの脳内には、明らかにファンファーレが鳴り響いていた。

それ即ち、ロンドン地下鉄マップ。御丁寧に、この駅で乗り換えろとばかりに、乗換駅と目的駅にボールペンで印を入れてくれている。

日本から持参したどんなガイドブックよりも、ぺらぺらの1枚紙のコイツが役に立った。

兎にも角にも、目的先が分かった。ゴール地点を設定できたことへの喜び。3kmだろーが10kmだろーが42.195kmだろーが、長さが分からないと人は走り続けることができない。

駅員の指差すとおり、地下に降りて地下鉄へ。料金は4£。

指示通りなら、乗り換えは1回で済むはず。マップ通りの線を目指す。

前述したとおり、ロンドン地下鉄は、相互乗り入れしている線が多い。ホームは正しくても、乗る電車を間違えると、トンでもない結末を招くことになる。

目的の電車に乗ってホッとしたのも束の間、次の駅で大量の人間がゲットオフ。

あれ? あれ? なんだか不安になってきたよ?

停車時間が3分くらいあった。意を決して、目の前のブロンド美人に尋ねる。

「Does this go to this station?」

「That train」「Thank you」

急いで荷物を抱え、目の前の電車に乗り換える。乗り込んだ瞬間にドアが閉まる。

ふぅ、危ないところだった。このままだったらウィンブルドンまで連れて行かれるところだった。

車内放送の有難みを、こんなに感じることもなかった。マップ・放送・駅看板の3つを合致させながら、現在地を把握していく。

あと1つで乗換駅だ! というところで、次の駅は予想だにしない駅名。

どーやら、直前の駅で分岐する別の路線の電車に乗っていたよーで。

更に2回の乗り換えを経て、やっと目的の乗換駅に到着。

この駅では、いったん駅舎を出て、別の駅舎へと向かわないといけない。K鉄N波駅とN海N波駅みたいなもんか。

さて、ここで気になるのが、地下鉄の切符。

自動改札ではあるが、日本のように、目的駅出口で回収される形式ではない。

(1)切符を入れる(2)切符を取る(3)ゲートが開く、の順番。

駅舎を出る際、切符が無効にならないかちょぉ不安。たまたま通りかかった哀れな御婦人やら駅員やらに聞きまくる。

駅員や空港の係員よりも、一般人の反応の方が親切なよーな気がするのは、なぜだろう。ちなみに、ホテルのフロントでも同じようなことを感じた。

団体用出口みたいなところを指差され、乗り換える駅舎も何とか理解。が、曲がり角を1つ間違えたらしく、アバウト10分間、重い荷物を抱えて右往左往。

何とか駅舎に到着、さらに電車に揺られて、ホテルに到着したのが20:30。

ホテルは駅前。遠目からホテル名が確認できたときには、思わずホロリとしそーだった。

最短なら2回の乗り換えで済むところを、ヒースロー - ヒースローターミナル - パディングトン - エッジウェアロード - ホワイトチャペット - タワーヒル - タワーゲートウェイ - カスタムハウスフォーエクセル と迷走を繰り返しよーやく到着。

54から「チェックイン、プリーズ」と言えば何とかなると教えられていたので、その通りに敢行。

空港と同じよーな内容を書かされるも、ただそれだけ。「Japanese charactor OK?」「OK」

あ、そーだ、大事な用件を忘れていた。通じるかな?

「Was a letter to me sent to this hotel ? In the letter, soccer ticket in」

「What?」

・・・通じませんですた。

押し問答の末、何とかフロントの人間がメールボックスを見てくれる。そして。

「No」

な、なんだってー!!

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イギリス紀行文 其ノ弐

10月23日(金) 

部屋の鍵はカード式。

ブリテンの階の数え方は、グラウンド・1・2・・・となる。

エレベーターの表示も、0・1・2・・・となる。

地下は? -1で表記されていた。

Dのルームナンバーは518。日本式に言えば6階。

ダブルを1人で使うことになる。クッションはフカフカだが、シャワーはなんじゃ、こら。

半径1mくらいの円を思い浮かべて頂きたい。当然、バスタブは無し。

半筒形(ラップの芯を、縦に半分に切ったものを想像されたし)のドアを閉めると、まさに世界はラップの芯の中。Dが閉所恐怖症なら、1分で悲鳴を上げているな。

あるべき物がないと言えば、冷蔵庫がない。ポットとインスタントコーヒーはある。

Dはコーヒーが飲めない(少なくとも自分では飲もうとは思わない)お子チャマなので、紅茶の方がありがたかった。

あまりの疲れのため、即座にベッドでバタンキュー。かと思いきや。

ふとTVを付けると、そこにはUEFAチャンピオンズリーグ。

俊輔の去ったスコットランドのチーム・セルティックが対戦中。つい見入って、就寝が遅れる。

味気ない、逆に疲れの溜まりそうなシャワー(とても入浴とは呼称できない)を済ませ就寝。

明日はビクトリア駅に8:00集合。乗り換えは1回なので、1時間を見ておけばよかろーて。

目が覚めたら真っ暗。

寝過ごした可能性は少なそうなので、時計を確認すると0:30。

体は疲れているのに、脳は緊張状態で就寝態勢を整えられないよーだ。

TVを見て退屈を凌ぐ。夜は通販が多いのも日本と同じ。

イギリス人は「honest」であることを重要視する民族であるという。

英国料理が、世界各国の舌に合わないとされるのも、「正しい」調理法が重要視されるからであり、ローストビーフでも、「20分焼け」と指定されているなら、20分きっかり焼いたローストビーフが尊ばれるらしい。

洗剤のCMが流れていた。就学前の女の子が何人か草原で遊んでいて、その娘たちに優しいことを強調しているよーなイメージCM。

日本なら「汚れがこんなに落ちる!」とかを強調するはず。お国柄が滲み出る。

個人を強調したCMは少ない。Iチローがビールを飲んでたり、A石家Sんまが醤油を持って踊ってたり、そんなCMは少ない。

有料チャンネルが多く、「この番号と契約して!」的なCMが多い。

日本のように語呂合わせで覚えさせる番号はなく、「67444」なら「six,seven,triple four」となる。

延々とスポーツニュースを流し続ける局もある。スポーツニュースなら、言語に疎いDでも理解できる。

サッカーのニュースが多いのは勿論だが、ラグビー・クリケットのニュースも多い。イギリスの国技って、何だっけ?

TVのメーカーはLG。画面に表示された「LEFT RIGHT」と「LEAF FIGHT」は似ている。

「cbbc!」のチャンネルアピールが印象的だった。

寝る → 起きる → 寝る → 起きる を繰り返しているうちに、時刻はよーやく6:00。

朝食は6:30から。歯を磨いたり着替えたり、用意を済ませ1Fへ。

レストランらしき場所に足を踏み入れるも、全然その用意がない。日本人じゃないから時刻もいい加減なのか・・・?

早めに朝食を摂らないと、集合時刻に間に合わない。意を決してフロントに尋ねる。

「Where is breakgast?」

「1st floor」

指を天に指しながら答えてくれる。そかー、朝食は2階か。

Dのいたところは、インターネットの使えるカフェだったらしい。USBを持ってきていればブログの更新もできたろーが、USBを紛失すると目も当てられないし、料金の払い方もメンドくさそーなのでヤメ。

朝食会場に1歩足を踏み入れると、係員が入り口で応対。

「コンチネンタルは~、ここ、ここ、ここからとり放題。ここは~、イングリッシュじゃないとダメ~」

まあ、こんな感覚。

基本的にバイキングなのだが、コンチネンタル形式だと食べられなくて、イングリッシュ形式だと食べられるコーナーがある。

ソーセージ・ベーコンなど、それなりに美味しそうな食材が並んでいるのだが、お値段も4£追加される。

同じレストランのバイキングの食事に差別化を図るなんて、日本では考えられないことだが、これが文化の違いってヤツか。

ジュース・パン・ハム・チーズ・フルーツを皿に盛り、黙々と腹に詰め込む。

チーズは古い石鹸のよう。しまった、取りすぎた。

デザートにヨーグルト。「Pur」とあるのを「プルーン」だと思って選ぶも、何の味もしない。だ・ま・さ・れ・た。

そーか、これは「Pure」の短縮形か。

7:00前に宿を出奔。外はまだ真っ暗。

日曜日にサーマータイムが終わる。それまでは、7:30に空が白み、8:00に夜が明けるよーな感覚。流石は緯度50°。

昨日はシングル(片道)のチケットを買ったが、本来ならトラベル・カード(1日周遊券)も存在する。

それを購入したかったのだが、買い方が分からないのでシングルを購入。

日本の地下鉄との差異は、昨日の分にも記入したが、まだまだまだまだ存在する。以下はロンドン滞在中に気付いたことの列記。

・プライオリティシート(シルバーシート)を守っていないのは、ハポンと一緒。

・座席は4人掛けだったり対面式だったり、路線によってまちりんまちりん。

・携帯かi-podをいじっているヒューマンが多い。

・座席に新聞を置きっぱなしにしている輩が多い。

これについては、ロンドンでは新聞が無料で配られていることに起因する。

駅の入り口で、売り子っぽい連中が、ビラの感覚で新聞を配っている。

必定、多くのヒューマンが新聞を手にするわけだが、無料なので有難みも少ない。

となると、役目を終えた新聞は、網棚も専用の回収BOXもなく、座席に置きっぱとなるディスティニー。

数少ない構内のゴミ箱は、新聞で溢れかえっている。

女性でも平気で座席の新聞を取って読む。これは偏見か。

・急に電車が駅間で止まる。これは何らかの事故があった可能性大だが、詳しい英語の聞き取れないDに、事情の把握は困難。

・「バンク」「テンプル」という駅名がある。何銀行と何寺なのかは分からん。K鉄G園前みたいな感覚か。

・地下鉄マップに名前はあるが、実際には停車しない駅も。社内放送では「The next station is closed」と紹介されていた。

うっかりすると、「クローズド」という駅名が存在するのかと錯覚する。

・走行中に、車内の照明が点いたり消えたりする路線も。それでも連中は平気で新聞を読んでいたが。

・クラウド時、男の膝に腰掛けているバカップル。

・車両間の移動不可。物理的に。

・地下鉄なのに窓が開く。

・必要最小限の照明しか点いていない駅も。夜道の街灯を思い出させる。

・構内時計はデジタル表示で、秒単位で表示される。

・駅名が、1mごとに表記されている。つまり、電車のどこに乗っていても駅名が確認できる。

・車内放送がない線。

・電光掲示板がない線。

路線ごとの特徴が出ていて面白い。ただ、それなら外見も分かりやすく統一してほしかった。路線ごとに設定されている色と車体の色を合わせるとか。

豪州で「白豪主義」が取られていただけあって、黒人比率は高くないと思っていたのだが、全然そんなことはない。

ただし、アジア人・スキンヘッド・髭の3点セットは相当珍しかったらしく、他のアジア人よりはDはかなり浮いていたよーな気もする。

まぁこんなもん。目的のビクトリア駅には7:40到着。よし、余裕。

・・・だったのだが、集合場所の「みゅうステーション」の場所が分からず右往左往。

見知らぬパン屋のおじさんに声を掛けられ、近いと思われる場所までは来る。

「え~、それよりも先に集合を急ごうよ~」

標準語を聞いて涙を流しそーになるなんて。宮沢賢治の「ふるさとの、なまりなつかし~」の件が思い浮かぶ。

3人組の日本人女性。この時刻に集合とゆーからには、Dと目的地は同じだろう。図らずもストーカー。

失敗。はぐれた。

警官のよーな格好をしている駅員に聞くも要領を得ず。もう1度、3人組とはぐれた付近を散策。

「MISO」と大きく書かれた看板の向かい側に、その代理店はあった。素直に道路を渡れば一発だったのに、日和って引き返したのが失敗だった。

到着は8:00ジャスト。遅れていれば、ほっていかれていた可能性だってあるだけに、心底安心した。

先ほどの3人組の姿も。Dとその3人組の他は、老若はあるもののカップル。

日本人らしき係員が、流暢な日本語でボードを掲げている。異国の地に沸いたささやかなオアシス。

「ロンドン半日観光」の参加者は、全部で10名。全員日本人。

まずは5分歩いて「ビクトリア・コーチ・ステーション」へ連行される。要は、非常に大きなバスターミナル。

トイレの前で一時停止。

「トイレは有料です。20ペンスです」

・・・2£硬貨しかないぞ。

目の前に売店。99ペンスの水を購入、お釣りに20ペンス硬貨を要求。

「トイレ? ならそこで両替してくれ」とまさかの両替拒否。Dの手元には1£硬貨と1p硬貨。

仕方なく、階段を降りてトイレに向かう。・・・ちゃんとお釣りが出るじゃないか。添乗員の説明が足りないぜ。

どーも腹具合がユルい。よっこいせっと。

ふぅ。

!!!

彼ったらとても強情で、上手に流れてくれないの!

ロンドンのトイレの水流は、極めて弱い。2度3度、ボタンを連打して、何とか目的の80%は達成する。

あとの20%については? ごめんなさい。

立つ鳥跡を濁しながら、バス乗り場に到着。ここで添乗員チェンジ。でも日本人のよーでよかった。

30人乗りくらいのバスを貸切。マイクロバスみたいなもん。

「えー、ロンドンには1日のうちに四季があると言われておりまして」

まさにその通り。朝はムチャクチャ寒かったが、昼の陽だまりは汗が滲み出すほど。

バスは一路ロンドン塔へ。行きすがら、ウェストミンスター寺院・ビッグベン・ロンドンアイなどの観光名所に出くわす。

バスの車窓からシャッターを切るも、上手くレンズに収まらない。

「この辺は、後でゆっくりと時間を取りますよー」 早く言えって。え? 言ってるって?

そんなこんなでロンドン塔到着。塔と言っても、昔で言う要塞。

古くは王が居住していた場所。

現在は王室が管理しており、衛士の姿も見られる。ただし、黒帽に赤服のイメージ通りのものではなく、紺色の地味な服装。

「夏目漱石もっと読んどいたらよかったね~」とは、例の3人組。むぅ、そーいえばそんなの書いとったな。

衛士たちが、剣で出口をちょんとつつく朝の儀式を見届けた後に場内へ。

「ロンドン塔からカラスが消えると国が滅びる」との言い伝えがあるそーで、場内では9羽のカラスが飼われている。

遠くまで飛べないよーに、羽を少しカットされているそーで。でも、1日200gの生肉が与えられているそーで。

王宝・拷問具・武器などを見学。

エリザベス女王が即位の際に用いられた王冠も展示。

○パンⅢ世なら、どーやってスティールするだろーかと想像を膨らませていたDは、健全なハポン人の言えるだろーか考察せよ。

世界最大のダイヤモンドも展示。回転寿司並みのスピードの動く歩道に乗り、表裏両方を観察できる。

ヘンリーⅧ世の使用武具の展覧会開催中。

兜が、加トちゃんに似ていて面白かった。「零」に出てきた、クイズの館の主のよーな顔。

ハポンのT皇も、保管している宝を展示して入場料を掠め取れば、自給自足できると思うんだがね。

続いてテムズ川クルーズ。Dの滞在中、奇跡的にほとんど雨が降らず、この日もいわゆるピーカン。

2階席が露天になっており、風も心地いーし眺めも最高。

タワーブリッジ・ロンドンブリッジ・ロンドンアイなどお馴染みの建造物の他にも、様々な由緒正しそうな建物をカメラに収める。

タワーブリッジとキャメルクラッチ。子供心に怖かった必殺技。

現在のロンドンブリッジは2代目。初代は、アラブかどっかの金持ちが買い取って、砂漠まで持っていって組み立てているそーな。

よほどの物好きか○ティガイだな。

ロンドンアイは、2000年に建てられたでっかい観覧車。

ゴンドラの数が32個なのは、ロンドンの行政区の数なんだそーで。

東京なら23個?

ゴンドラが1つ故障しているのか、取り外されている。実は行政区が1つ減ったとか?

深読みのしすぎだな。

「ロンドンに市長はいらない」と強硬した首相がいて、その際にロンドン市庁舎は売却。

その後、市制が復活。現庁舎は、前面鏡貼りの卵型。旧庁舎はホテルとなっており、地下は水族館となってるそーな。

下船後、5分ほどバスで移動。左側通行なので違和感も少ない。

信号無視する輩が多いのもハポンと一緒。ただし、車は歩行者の姿を認めようが、速度を落とさずビシバシ突っ込んでくるので注意が必要。

都市高のよーな高架はない。一定以上の高さの建造物の建設には敏感なよーだ。

間もなくウェストミンスター寺院に到着。詳しい説明は忘れた。

「ここが絶好のシャッターポイントですー」

カメラを構えよーとすると「スリには注意してくださーい」

背負ったリュックのチャックを開けられることも頻繁にあるそーで。

リュックを前に背負っている(?)ヒューマンも見かけたが、それくらい用心に越すこたぁないとゆーことか。

ハポンでは、そんなに警戒することもない。やはりハポンは、セキュリティの高い国。

慢心はいかんが。

国会議事堂・ビッグベンもカメラに収め、特にビッグベンについては、12:00の鐘を動画に収めることもできた。

スコットランド・ヤードを抜けて、バスは「パツ金が無給で(バッキンガム宮殿)」へ。

「今月は偶数日が衛兵交代式のため、本日の衛兵交代はございません。衛兵も紺色の服になりまーす」

がっくり。

最後はトラファルガー広場で解散。

「午後の大英博物館ツアーも参加したいんですけど、いいすかね?」「あ、多分だいじょーぶですよ」

日本では、最小催行人数(2名)を切ったため、予約できなかったツアー。

大英博物館を見に行くのか、大英博物館の展示物を見に行くのかは微妙。全ての判断は見てから。

日本のデパートでは、三越が有名。こっちのは、ハロッズくらいしか知らん。しかも、ショッピングには興味がない。

トラファルガー広場。ネルソン提督の像が、やたら高いところに建造されている。

広場の前には国立美術館。こっから大英博物館までは、歩いていける距離だとゆーこと。

現在12:30。大英博物館の集合は14:30。

昼食 - 国立美術館 - 大英博物館 の順で回るには丁度いーんじゃないか?

とゆーことで、近くのパブへGo!

メニューでは、食事の分は記載されているが、ドリンクのメニューがない。

むぅ、ビールのメーカーなんぞ知らんぞ。

男は度胸、坊主は読経、Dの今回のパブでの使命は、(1)キドニーパイ(2)フィッシュ&チップス(3)ローストビーフを制覇すること。

まずはキドニーパイを蹂躙するぜ!

「What kind of beer do you have ?」

・・・またまた通じませんですた。

店員の言葉の切れっ端に「bitter」と聞こえたので、「ビター、ビター」と連呼。

キドニーパイ:ステーキ・キドニーパイと呼ばれることも。

ステーキの文字に騙されるな。ビーフシチューのパイ包みみたいなもん。

追加注文する気マンマンだったが、付け合せのポテトのボリュームがすごい。

期せずして、炭水化物ダイエット・肉食ダイエットが達成できそーだ。

ビールには利尿作用がある。トイレ、トイレっと・・・

ありませんですた。

「→ darts」と書かれた看板は発見したものの、諦める。

きっと、国立美術館(ナショナル・ギャラリー)にはあるだろう、という淡い期待も込めて移動。

イギリスの美術館・博物館は基本的にタダ。ただし、入り口で寄付金を求められることがある。

「1£をご用意下さい」と読めたので、入り口の透明な賽銭箱のよーなものに硬貨を投入。まあ、トイレ使用料だ。

日本のよーに1周するよーな形式ではなく、それぞれのテーマに沿った部屋が、アタック25の升目のよーに集合体を為している。

どの部屋を見ても自由だし、どの部屋を見なくても自由だ。

周りを見渡すと、トランシーバーの子機のよーな機械をぶら下げている。そーか、これが音声案内か。

取りに戻るのも面倒だし、借りるのにいくら掛かるのかも分からないので、そのままぶらぶらすることに。

期せずして、「ひまわり」が目に入る。日本で展覧会を開いたら、人だかりで目にするのも困難であろー代物が、ごく普通にポンと飾られている。

こいつは写真に収めたかったが、館内は撮影不可。眼福に留めることにする。

携帯マナーについては、超後後後進国。

電車内でも美術館内でも、平気で電話をするし、マナーモードにもしていない。

公共の場でも沈黙を強いるハポンの方がおかしーのか。分からん。

お土産。絵の目録みたいなのを購入。

開くと、一輪のひまわりの花になる傘は欲しかった。しかし、荷物になるお土産は嫌だ。

ハポンも、子供用だけでなく、もっと絵画的な傘を作ったらバカ売れすると思うんだけどなぁ。

「痛傘」とか、結構需要があると思うよ。

あ、トイレはちゃんと地下にあったよ。

14:00観覧終了。さて、大英博物館へ向かいますか。

午前中にガイドに教えてもらった道を行く。

ダブルデッカー、縦に2台つながったバス、2階の屋根がないダブルデッカー、赤・オレンジ・銀のカラフルなパトカーなど、車を見ているだけでも飽きない。

日本車では、ホンダが人気。プジョーやフォードも多い。

ホンダ・トヨタ・マツダの車は視認したが、どれも日本とは仕様が違う。そりゃそーか。

途中、炭酸水を購入。「still」と「sparkling」の味の違いを確かめるのも、今回の旅でやってみたかったこと。

・・・全然着かんぞ。また道を間違えたか?

疑心暗鬼に陥るも、「右折:British Museum」の看板を見つけてホッと一息。

・・・右折しても、大英博物館に辿り着かない。できるだけ優しそうなメガネ男性を選んで道を尋ね、やっとこさゴールイン。

到着は14:35。革靴で来たことをひたすら後悔する。

ツアーのボードを掲げた日本人を発見して安心。

「え?! 2人だって聞いてましたけど・・・」

どーやら、Dが追加されることが伝わっていなかったらしい。「みゅう」に確認を取ってもらって事なきを得る。

電話の最中、スパークリングの栓を開ける。

Q:30分カバンの中で揺られた炭酸水の栓を開けるとどーなるか?

A:隣の人にひたすら謝りました。

つーか、もう1組のカップルは、午前中のツアーで同じだった方。

「すいません、割り込んだ形になってしまって」

まあ、用心棒くらいにはなるだろう。

「どーやって来られました?」

「タクシーで」

ですよねー。

T中M紀子に似たガイドの案内のもと、エジプト・アッシリア・ギリシアなどのゾーンを見学。

博物館内は、基本的に撮影自由。ロゼッタストーンと猫のミイラを見られたのがよかった。

17:00博物館脱出。その足で紅茶屋に向かう。

御一緒させて頂いた御夫婦は、日本人ではあるが現在は北京に赴任中とのこと。

奥方がロンドンに7年滞在していたため、英語は専ら奥方任せだそーで。

リバティやピカデリーを回って、明日はストーンヘンジ・バースを回るとのこと。

Dも54との約束がお釈迦になったので、ツアーでそっち方面を回る予定だとゆーことを伝える。

「ひょっとしたら、明日お会いするかもしれませんね」

明日のツアーは、仮予約できないとのことなので、直接「みゅう」を訪ねて予約しに行くことに。

朝は素通りするだけだった「みゅう」内部に到着。

邦人女性3人が受付・仕事中。ああ、これだよ、オフィスに求める雰囲気は。

ハポンの第3次産業は、イギリスに出店したら、絶対に駆逐できると思うよ。

店員のサービスの当たり前レベルが違いすぎる。イギリスは無愛想。

8坪程度の店内には、現地の日本語新聞も。T盤T子の結婚が一面。

明日のツアーの予約と、パブチケットの引き換えと、ウェストハムの最寄り駅を訪ねる。

「ホテルにチケットが、まだ届いてないんですよねー」

「あ、今、郵便局がストやってますよー」

な、なんだってー!!

「あ、あと、この地下鉄のラインが止まるので注意して下さいねー」

な、なんだってー!!

地下鉄のほうは、直接Dに関係のないラインであったが、郵便ストの方は重大だ。

チケットの届いていない理由が、郵便制度の怠慢だったとはな。ハポンじゃ考えられないな。

地下鉄は、修理と称してよく止まることがあるらしい。お国柄って便利な言葉。

パブチケットの使える最寄りの店を尋ねて、別れを告げる。

結論から言おう。パブは最悪だった。

パブチケットの存在を知らないパープー女の対応。英語を話せない日本人への軽蔑が滲み出ており、決して愉快なものではなかった。

パブは込み込みで、なんとか席を確保して座ったものの、早くどけよ視線を感じ、ゆっくりできない。

頼んだフィッシュ&チップスの量がパない。魚だけ食って、大量のポテトとグリーンピースを残し、通りすがりの姉ちゃんに「アイムフル」と伝えて退散。

「フィニッシュト」と伝えていれば、まだ好感度も上がっていたのだろーが、そんな語学力も持ち合わせていない。

帰りのビクトリア駅構内で、「WASABI」なる文字を発見。

・・・お持ち帰り寿司。

イギリスに来たら、日本食なんて食う必要もなかろーと考えていたのだが、こんなにも早く里心がつくなんて、思っても見なかった。

気がついたら、列の最後尾に並んでいた。

列に並びながら、イギリス人の嗜好をチェック。どーやら、サーモンが1番人気のよーだ。

寿司は、1つずつラップ包装されている。鉄火巻きは、2個で1つの包装。

1貫(2個)で1~1.5£。寿司のほかにも、ヤキソバやピラフなんかの販売もされている。

ただし、容器はポップコーンを入れてるよーなヤツ。こちらも量がパない。

イカ・タコ・サーモン・鯛・鉄火を、それぞれ1貫ずつ頼んで、会計は6£。

地下鉄の構内に入ったとき、ブログ用のメモ用紙と地下鉄マップを紛失したことに気付く。

1日目のメモはホテルに置いておいたので助かり。記憶の欠如が怖い上、精神的なショックが大きい。

パブの中での店員の対応があまりにも悪く、罵詈雑言をパブ内で書いていたのが災いしたか。しょげる。

ホテルに到着。どんなに満腹でも、寿司を前にすると胃袋に余裕ができてくるから不思議だ。

はは、ラップを剥がすと、米の部分が上に来る。

ワサビを米の上に付け、醤油を付け、いただきまーす。

は、はしがないぞ!

捜したら、寿司の間から見付かった。一安心。

・・・寿司と、酢飯とネタを合わせただけのものとは、天と地ほども違うことを実感。

米のメシと醤油には、中毒性があることを確認。

今日は、昨日よりマシだった。明日は。今日よりいー日になるはずさ。

チケットは、未だ届かず。

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イギリス紀行文 其ノ参

10月24日(土) 

今までに経験したことのない鼻クソ。

さらっさらで、パウダーでドライなブラック。

空気が乾燥していて、汚れているとゆーことか。気色悪い。

Dは、環境閾値説を支持する。

DSやPS3のCMなんかも流れている。日本では売れなさそーな、血が黒色のアクションゲームも。

1:00~5:30限定の、アダルトっぽいチャンネルも。

いや、有料チャンネルはちゃんと存在するのだが、乳丸出し・ハイヒール・ビンテージ・Tバックみたいな格好で、電話の子機を男根に見立て、舐め回したり腰を振ったり、自分の乳を揉みしだいたりとかが、延々と流れている。

「この番号に電話すれば、プライベートな会話が楽しめる」的な番組。

規制が緩和されたとしても、ハポンでこのスタイルの番組はどーだろーな。女性上位のイメージがプンプンするからな。

他にも、ギャンブル番組とか。

番組自体は、ルーレットを延々と回し続け、番号がずらりと記録されていく内容。

どーやら、現金をベットできるよーだ。放送倫理は、ハポンより甘いと言えよう。

3日目ともなると、段々と要領も掴めてくる。ヨーグルトはバニラ味を選び、朝食も適量が分かってくる。

ラブ+の更新も済ませ、いってきまーす。

外は生憎の雨模様。今日は大方がバス移動になる上、天気予報では昼から晴れるよーな画面が映っていた。

切符売り場。いよいよ、トラベルカード(1日乗り放題券)の購入に挑戦。

昨日も、帰りに大きな駅で購入を試みようとしたのだが、帰り道に周遊券を買うのは勿体ないことに気がついて却下。

「busy time」と「off peak」とでは、値段が倍も違う。慎重にいかないとな・・・。

先生、オフピークしか選択肢がありません!

Dのホテルの最寄駅は、無人駅。質問のしよーがない。

土曜日は基本的にオフピークだろーと安易に考え、6.3£で購入。後は知らん。知らんかったで誤魔化せ。

地下鉄内で、新聞の上に荷物を載せていたら、「読んでもいーですか?(D脳内意訳)」と声を掛けられる。

断る義理もないが、ちょっくらびっくりしただ。

本日は何のトラブルもなく「みゅう」に到着。

昨日の3人組もいる。昨日、ちょっとは声を掛けてはいたものの、さあ、今日も声を掛けるんだ!

・・・ティミディティなD。無理ですた。

Dはウィンザー城・ストーンヘンジ・バースのコース。彼女らは、コッツウォルズのコースのよーだ。

昨日と同じ手順で、ビクトリアコーチへ。トイレ休憩も同じ。

決まって腹が痛むのも同じ。まあ、バスの中で惨めな思いをするよりも数百倍マシ。

・・・ちょっくら、時間が掛かってしまったな。

他のハポン人達は、既にバスに乗り込んでいる模様。

本日のツアーは、ハポン人とその他が2:3程度。ガイドもバイリンガルの、英国人らしきおばあちゃん。

辛うじて、隣が初老の日本人男性らしき席が空いていた。

「よろしーですか?」「どーぞ」

お互い、安堵感が流れる。

おばあちゃんの日本語は、どこか危なっかしい。「2000年間前」とか。「since」と「for」を教えてあげよーか?

バスはまずウィンザー城へ。

羨ましいほど平野が広がっている。ハポンなら、間違いなく家が立ち並んでいる。

高速も原則無料。公共事業に頼っていない国だな。

どーでもいーが、バスのカーテンが真っ赤で、アコーディオンタイプだった。

1時間程度で到着。駐車場の脇には、なぜかでっかい観覧車が。

うっかりバスを降りるのが最後になったら、団体を見失った。

エレベータを昇ると、そこは駅舎。でも、エレベータしか前に進む道がなかったよ?

とりあえず、展示されている機関車を撮影して、エレベータを降りようと逆走しようと試みると、ぞろぞろと団体さんが来るわ来るわ。

Dの団体との確信が持てなかったが、とりあえず団体についていく。と、さっきの機関車の前で一行がストップ。

・・・よかった。さっきのおばあちゃんだ。帽子を被ったから分からなかったお。

どーやら、トイレ休憩のため、団体のほとんどはトイレに向かっていたよーだ。

駅舎は通り抜け可能。ハポンでは考えられんな。

駅から3分でウインザー城。個人的には、駅前の「WAGAMAMA」という名のヌードル屋が気になったが、ここで腹を膨らませると昼食がキツいのは、先刻承知之介。

開場まで10分程度待って、団体入り口から入場。

エリザベス女王の居城とゆーだけあって、空港もびっくりの荷物検査。

それを終えると、音声案内機の受取場所へ。ハポンでは、この手の装置の普及率はどんなもんなんだろう。

しかも無料。ハポンならいくら取られるだろう。

各言語に対応している。これこそ観光資源。

皇居もオープンして、外貨の獲得に貢献すれば儲かろーに。

場内の入り口まで、10分は歩いた。シャッターポイントが満載なので、そんなに歩かされた印象もない。

イートン校が眼下に広がる。ハポンでいうところのG習院。しかし、草原以外に何も見当たらない。

人形の家・チャイナ(そーいえば、白磁気のことをチャイナと表現したな)などの他、絵画などのお宝に圧倒。

式典時には、立ち入り禁止のロープが外されるだけなそーな。

ここでかくれんぼをしたら、面白いだろーなという発想のDは、凡人か鬼畜か?

黒帽・赤服の衛士を発見。写真に収める。

バスに戻ると、前のハポン人が、衛士の動画シーンを収めるのに成功していた。

ちくしょう、うらやましいなぁ。

11:30バス集合。当然、遅れてくるのはハポン人以外の誰か。11:45出発。

こんなことなら、観覧車に乗っときゃよかったよ。

1周5分くらいの超スピード。客がいるときしか回らない省エネ設計。

多少雨に降られたものの、折り畳み傘が活躍。城内では雨の影響も受けない。

ストーンヘンジまで、約3時間の予定。途中で昼食休憩あり。

昼飯の希望用紙が回されてくる。ハポンなら、全員が同じメニューを強制されるところだが、流石は個人主義の国。

山がない、林も少ない、凹凸も少ない、平原ばっか、ぺったんぺったんつるぺったーん!

高速道路の脇は、一面の平原。たまに、牛や豚や羊が放牧されている。

家も畑も、相当走らないと発見できなかった。地平線って言葉は、こんな贅沢な土地の使い方をしている国でないと発明されない。

何もしなくても、芝生が勝手に生えてくる。

欧州が芝と石の文化なら、ハポンは土と木の文化。

地震が少ないから、石造りの建造物が多い。石造りだから、容易に取り壊しができず、継ぎ接ぎしながら家を長持ちさせる。

芝生が多いから、サッカーやゴルフが発達する。ハポンで「校庭芝生化運動」が繰り広げられているが、風土的に無理があると思わざるを得ない。

それよりは、ダイヤモンドに敷き詰めるよーな黒土で校庭を覆うのはどーなんだろーか。そのほうがよっぽどハポンの風土に合っている。

しばらくして畑が見えてくる。

・・・なんだ、この壮大なスケールは!

1辺が1km単位。1アールすら難しいハポンの畑とは比べ物にならない。

土地はハポンの3分の2で、人口はハポンの半分。国土に於ける平地の占める割合がハポンの比ではない。だから、こんな贅沢な土地の使い方ができるんだな。

小麦葺きの屋根があるとガイドから通告。よく見ると、目の細かい金網の中に、干した小麦藁がみっしりと敷き詰められている。

英国版茅葺屋根か。実はD宅も茅葺なのだが、維持が困難だということで、20年前に銅版で覆ってしまった。

英国では、小麦葺きの屋根に人気が集まり、順番待ちなのだという。文化の違いって、便利な言葉。

「間もなく昼食のレストランに到着です。お勘定は、各自でbarさんにお支払い下さい」

おかしな発音があったら言ってくれ、とおばあちゃんは何度も言っているのだが、何度も「barさん」を連呼するので、ハポン人一同、失笑。

barさん = 婆さん。

Dの注文は、ローストポークにビール1パイント、それにアイスクリーム。

「席は相席でお願いしまース」とおばあちゃん。幸い、日本人夫婦の席が空いていたので、バスの隣人とともに着座。

異国での不安な心境を吐露。「言葉が聞き取れない」「飯がマズい」「しかも高い」「便器の位置も高い」etc.

「英語喋れるか? って聞かれて、リトル、って答えたら、それこそマシンガンのようにダダダダッと撃たれて」

「I‘m not good at English.で交わせますよ」

ふむ、なかなかよい表現だな。I can‘t speak English well.だと少し硬いしな。

ここはジャーマンか? と思うくらい、ポテイトゥの比率が高い。パンなんか必要ない。

ローストポークも、ボイルドポークの間違いなんじゃないの? と思うくらい味が抜けている。

グレイビーソースも薄い。味の変化を付けるため、ビネガーは必須。

エールを注文。・・・何か水っぽい感じがするんだよねー。

これだけ食って18£。ビールで5ポンド、デザートで3ポンドだと思えば、まーこんなもんか。

隣人は、2週間前にハポンを発って、アフリカ巡りをした後、ロンドンに来られたらしい。

「私以外は、みな女性でしたよ。しかもおばあちゃん」

外国、しかもアフリカを旅する余裕があるなんて、やはり一部の富裕層に限られるんだろーね。

道路は、渋滞なんて起こりようがないよーな交通量。満腹感も手伝って、しばし仮眠。

目的地手前で、軽い渋滞があったものの、14:30ストーンヘンジ到着。

周りは、本当に何もない。牛や羊が放牧されているだけ。

一応、世界遺産である。ハポンだったら、お土産屋やら宿泊施設やら、さんざ立ち並んでいることだろう。

一応、お土産屋さんと軽食屋が1件ずつはある。

音声案内(無料)を受け取って、いざストーンヘンジ周辺へ。

残念ながら、ストーンヘンジ周囲50mは立ち入り禁止。残念、すべすべ御石とハグしたかったのにぃ。

ストーンヘンジが世界遺産に指定されるなら、石舞台だって認められてもよさそーな気がする。

続いて、バスはバースへ。

よーやく、山の中の坂道を下っていく、ハポンでもお馴染みの光景。ただし、この周辺だけらしい。

バースって、世界遺産らしい。Dだけの旅ならガンスルーしているところだ。意図せぬところに連れてってもらえるのも、バスツアーのいいところ。

バースは、そのまま「Bath」と書く。H神のバースは、本来は「バス」と呼称するのが正しいそーだが、「それやったらH神バスになってまうやないか」とのことで「バース」に決まったらしい。さもありなん。

バースでは、温泉博物館みたいなところへ連れて行かれる。バースが世界遺産なら、草津温泉も以下略。

何でも、イギリス唯一の温泉地だとゆーことだ。ほんとかな?

ここでも音声案内(無料)。説明を逐一聞いていると、1日掛けないと見学できないので、興味のある施設だけ重点的に攻めていく。

古代ローマの大浴場。25mプールと同じくらいの広さ。モザイク模様が素敵。

「あ! どーも」

突然、ハポン語で話しかけられる。何のことかと思いきや、なななんと、昨日のツアーでご一緒したご夫婦の旦那さんの方と遭遇。

「! すごい偶然ですね。奥様は?」「じっくり見ています。音声案内聞きながら。僕はたまらず先に見学しているところで」

目的地が一緒なら、後は同一時間帯に遭遇する確率なのだが、それでも100分の1程度なものだろう。

しばらくして、奥方とも会うことができる。これは忘れられないな。

狭い窓を張り出したところに、シャッターポイントがある。そこでイチャついて離れないバカップル。

それでもしばらく待っていたら、目の前でチュウ。

流石に「人前でイチャつくなボケ」とハポン語で棄て台詞を残し、他の窓へ。

出口でも、まだイチャついていた。

博物館を出たところで、ホットドッグ屋があったので食事。正直、これがイギリスで一番美味い食事だった。

17:30バース出発。結婚式用に貸しきられたダブルデッカーに遭遇。写真に収めようと試みたが、ブレた。

帰りにコッツウォルズも通る。「英国で最も美しい村」と称される、古きよき伝統の残る村。写真ではその雰囲気が伝わらずに残念。

「あしたー、ヒースロー空港へ行かれる方はー、地下鉄のご利用は避けてクダサーイ。ピカデリー・ラインが止まりマース」

本当、いい加減な国だな。

20:30ビクトリア駅到着。後は帰って寝るだけ。

帰りの地下鉄で、両足ギプスに車椅子を抱えた男性が、車両を移動してくる。

大声で何か話しかけているが、何を言っているのかさっぱり理解できない。

Dの前に座っていたアベックの男性にも何か話しかけ、その男性は嫌そうな顔で拒絶の反応。

どーやら、物乞いの一種らしい。目の前の男性が首をすくめ、ウィンクしてきたからそんなニュアンスを嗅ぎ取る。

両足ギプス(なのに足取りはしっかりしている)は、次の車両へと移っていった。

可愛い子には、旅をさせる?

Dの教え子で、父がロンドンに単身赴任している娘(現高2)がいる。

昨年のクリスマス、父から1人でロンドンに来いと言われたそーだが、その相談を受けたDは、「何事も経験やん、何も心配せんと行ってきたら?」と無責任に言い放った記憶がある。

もしもその娘が、Dの実娘だったら、そんなに軽く言い放つことができたろーか。もし、Dがこの経験をした後にそのよーな相談を受けていたとしたら、結果は同じだったろーか。

最低限の安全が保障されているなかでの冒険なら、喜んで許可する。

しかし、旅には予見できない危険が、数多く存在する。

旅は人間を一回りも二回りも成長させる。それは認知する。

タイは若いうちに行け。女の子は複数で行け。

サッカーのチケット。流石に今日、届いていないとヤヴァい。

D宛の郵便が届いていないか確認。押し問答の末、1枚の郵便物を見せてくれる。

かなりの期待を込めてチェック。

「この名前は、あんたのか?」「No」

じゃあ違うね、と手紙を引っ込められる。そんなぁ。

ひょっとしたら、54の代理人が自分の名を使って郵送したため、Dが受け取れないという可能性も考える。

ラップの芯を当てれば、手紙の封を開けなくても中身が確認できると聞いたことがある。

伝えたら、試させてもらえるだろーか。

プレミアの試合は、明日。

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イギリス紀行文 其ノ四

10月25日(日) 

10月の最終日曜は、サマータイムの最終日。

23:59の次は、いきなり翌日の1:00になる。

うるう秒なんかメじゃない、3600秒ものすっ飛ばしをDは・・・寝てました。

睡眠が深く短くなり、夜中に目が冴えるのは御愛嬌。

サッカーニュースで、オウンゴール(厳密には、相手のシュートを斯き出そうと背走しながら足を伸ばしたが捉え切れなかった)を仕出かした選手の、何ともいえないヘタレ顔に、思わずイッてしまいそーになる。

本日は、組まれた予定は何もナシ。よって、6:30に朝食を摂る必要もない。

・・・ラブ+の、デートの予定だけは消化。上手にキスができません。

リヴァプール vs マンU   13:00からTV中継。

ウェストハム vs アーセナル 16:00からTV中継。

チケットがホテルに届く見込みは、絶望的。うっかりすると、引き篭もりの血が騒ぐ。

まー、脳に糖分が行き渡らないと、碌なことを考え付かないよね、と朝食に向かう。

人心地付いた後、気力を奮い立たせて、54に電話する決意を固める。

ガイドブックで日本への通話の仕方を確認し、ホテルの部屋からコール。

「What happened?」

・・・どーやら、フロントにつながってしまったらしい。

言葉だけで説明できるほど、Dの英語力は達者ではない、申し訳ないが、即ギリ。

フロントに下りて、公衆電話から掛けることを試みる。

コレクトコールのダイヤルを回す。

「はい、こちらロンドン電話局の○○です」

よかった! 日本人だよ!

「携帯へも掛けることができますか?」「はい、登録のある番号なら大丈夫です」

54に電話を掛けようにも、Dの携帯はハポン。一度、実家につなげてもらわないといけない。

実家の番号を伝え、「はい、分かりました」の後、唐突に電話が切れる。ツー、ツー、ツー、・・・。

1分ほどそのまま待機してみたが、変化ナシ。畜生。

コレクトコールは諦め、自費で掛けることに挑戦する。

いくら必要になるのか分からないため、フロントで両替。

0081を押して、市外局番の「0」を抜いた番号を入力。

通じてくれ・・・!

秒尺、「プルルル、    プルルル、    ・・・」の、耳慣れたコール音。1秒鳴って2秒静寂。

「もしもし」

ああ、親父の声だよ!

「携帯見付かってん」

悪いが、1秒につき10ペンスだ。世間話をしている余裕はない。

「5分後に掛けなおすから、Dの携帯から54の電話番号を調べといて」

親父の携帯使用能力は、Dのそれよりも更に遥かに劣る。上手く調べてくれていることを祈るしかない。

5分後。

「分かったでー」

救いの綱がつながった。

ニュースでよく見られるよーに、会話にタイムラグが生じるじゃないかと思っていたが、実にそんなことはない。ハポンにいるときと全く同じ感覚で話せる。

次の難関、54に電話を掛けて、留守電につながらないかどーか。

(1)留守電に吹き込む。

(2)ネットを利用し、Dと54のページにコメントを入力。または、54と連絡の取れそうなページにもコメントを入力、54に連絡してもらう。

(3)1時間後、もう1度54に電話する。

ここまでシミュレートして、54にコール。

携帯も、0を抜いたらいーんだろーか。0081を押した後、0を抜いた携帯の番号を入力。

「プププッ、プププッ」

ビンゴ。カンが冴えている。

悪りぃな、54。携帯会社くらい、バラしたって構わないだろう?

プルルル、    プルルル、    ・・・。

「もしもし」

やった! 神は存在した!

急いで現況を話し、「何分必要?」「うーん、15分」との言葉を聞いて、目的の半分は達成。

その間に、フロントに両替と、「友人が、このホテルに届いているはずのサッカーチケットの件を英語で説明するから、電話口に出てくれ」の交渉。

両替は断られ、代わりに「近所の店で『国際テレカ』を買ってこい。話はそれからだ」的なことを言われ、ホテルを出立。

当然、イギリスに24時間営業のコンビニなど存在しない。自販機も見かけない。エコな国だ。

こーして見ると、ハポンのほーがよっぽど異常な国に思えてくる。

徒歩3分で、目的の店「NISA」に到着。いわゆる、普通のスーパーマーケット。

ビールが安い! 500mlの缶が6本で5£とか。

もちろん、発泡酒や第3のビールなど存在しない。米やコーン・スターチなどの添加物もない。

飲み物売り場も見てみる。ゲテゲテしい色の飲み物もあるが、「スプライト」や「ファンタ」、「ドクターペッパー」など、日本でも馴染みのある飲み物も多い。

フロントから、メモをもらってある。

店員にそれを見せ、「どこの国へ?」「ハポン」「いくらの?」「5£」。

テレカといっても、プラスティックカード。少なくとも、ハポンのよーに電話に直接差し込んで使うのではなかろーと見当はつけるが、使い方は不明。

兎に角、フロントにそのカードを見せる。すでに54に電話をしてから30分が経過。

カードを受け取ったフロント、スクラッチカードのよーに、カード左下をゴシゴシと擦り出す。

やがて見えてくる、10桁程度のナンバー。フロントは、やおらカードに記入してあるナンバーをプッシュすると、Dの方に不敵な笑みを返してくる。

「ハハッ、1ナウアー」

1時間話せる、とゆーことだろーか。1k足らずで、そんなに話せるものだろーか。

「ナンバー、プリーズ」

54の番号を入力。「もしもし、事情は分かった」「OK。フロントと代わるわ」

・・・・・・。

「で、何やって?」

「悪りぃ、今、そっちはストやねんな」

「そーみたいやなー」

「確認したら、木曜日に投函したらしい」

全く、なんてこった。Dの旅に関係ないと思われていた郵便ストが、こんなにも密接に関係してくるなんて。新聞の一面も、「警察官にマシンガンを持たせて巡回させよう」という大臣の発言だったぞ。どこにそんなん書いたるっちゅーねん。

やっと事情が分かった、とばかりにフロントに馬鹿笑いして見せる。

チケットが届いていない理由が解明されて、Dの心は90%晴れる。この辺は血液型と因果関係が。

仮にチケットが入手できなくても、スタジアムの雰囲気を味わっておくにこしたことはない、という54の進言もあり、午前はグリニッジ、午後はウェストハムへ向かうことに。

昨日から気になっていたことなのだが、フロントを、コスプレをした集団が通り過ぎる。

確認したわけではないが、察するに、本日コスプレ関係のイベントが行われているらしい。

全く、空港や港近くの土地の使い方なんて、どこの国も以下略。

つーか、イベント会場で着替えず、ホテルから直接着替えて行くのな。

電車に乗っていても、コスプレのまま乗車している輩多し。ホテルでは遠慮した撮影も、遠目とゆーこともありパチリ。

グリニッジでは、本初子午線を大の字で跨いで記念撮影をしてみたい。

グリニッジへは、電車で乗り換え1回。最も楽な目的地。

桃鉄で、最初の目的地が新潟になったよーなもんだ。

乗換駅まではスムーズに移動。乗り換えは・・・向かいのホームか。

ところが、待てど暮らせど次の電車が来ない。500mlペットボトルのコーラ自販機に1£を突っ込んで、様子を見るも全く音沙汰なし。

電光掲示板も沈黙を守っている。ま、まさかこのパターンは・・・。

「地下鉄はよく止まりますよー」

昨日(土曜日)はこのラインが運休になることは知っていたが、まさか日曜もか!

仕方ない、電車以外の移動手段を検討。2回の乗り換えで、駅1つ分進めることが分かり、何とか駒を進める。

「みゅう」のハポン人店員の話では、代替バスが運行されるよーなことを行っていたが、乗り場がどこにあるか分からない。

目の前で、おいでおいでをしている(いや、実際にしていたワケではないが)ブラックキャブ。

目的地まで、あと5駅。よし、ここはブラックキャブに乗ってみるいい機会だろう。

「カティサークステーション、OK?」「ィヤッ」

イギリスでは、「Yes」の代わりに「Yeah」と応える人が多いよーな気がする。そのため、「イェス」が「嫌」に聞こえる。

「どこに行きたいんだ」のニュアンスの問いに戸惑う。「マップ? インフォメーション?」と言われ、慌てて、ガイドブックのグリニッジのページを示す。

10£でお釣りがくるかな、と考えていたら甘かった。川越えにトンネルをくぐって、最終的に19£。

50£札を渡したら、困ったよーな顔をされた。

両替の際に、万一に備えて、ポケットと財布の両方に分けて現金を保有してある。財布から10£札2枚を取り出す。

イギリスではチップの習慣があるとのことなので、50£札を出して「30£、プリーズ」とやる予定だったのだが、予定は未定。

20£出して、そのまま立ち去ろうとも思ったのだが、運転手が律儀に1£硬貨を差し出してくる。当たり前か。

「チップですよ」と声を出しても、ややこしーことになりそーだったので、そのまま受け取る。チキン野郎。

「ここがグリニッジで最もいいポジションだ」と、由緒正しそーな建物の前で下ろされたのだが、何の建物か分からない。とりあえず入ってみる。

どーやら、旧王立海軍学校で下ろされたよーだ。学校内の、礼拝堂とペインティッド・ホールに圧巻。

天井画がすごい。礼拝中も上ばっかり見てそーだ。

腹が空いた。中華系の店がある。ヌードル系を求めてイン。

・・・何か、普通のバイキングしかないですよ?

中華系の店員が出てきて、怪訝そうな顔をされる。

「ヌードル、プリーズ」「ディナー、オンリー」

・・・すごすご。

グリニッジ天文台へ行きたいのだが、ガイドブック通りに歩くと、公園の入り口にぶち当たる。

が、この公園の広さがパない。どーやら、天文台はこの公園内にあるよーだ。

天文台までは、そこそこの坂道。ローラースケートやスケボーを愉しむ人の姿も。ふむ、確かに楽しそーだ。

10分程度の山登りのあと、よーやく天文台到着。イギリスに来て、初めて自由行動中に自力で辿り着いた目的地。

入り口から、テムズ川や海軍学校を見下ろすランドスケープは、まさに圧巻。芝生の国:イギリスを満喫。

どーやら、入場は無料。観光ツアーに入らないのは、車乗り入れが不可の上、この坂道を登るのが大変だからだと思われる。

本初子午線のモニュメントの前は、イギリスで初めて目にする、1列の行列。15分ほど待って、よーやくDの出番。

アジア系と思われる家族の母親側に、大の字に手を広げた写真を撮ってもらう。

本当は、本初子午線を跨いでいる足も入れてほしかったのだが、もらったラクダの歯は覗くな。

天文台内部で、思いもかけず、日本語と日本製品を発見。

「傘ぽん」って書いてある。流石は雨の国。

「0‘0“00」と書かれ、真ん中に赤い線が走っている、黒いシュールな帽子を購入。

各所を訪れた際、その場所特有と思われるお土産は購入しているのだが、いちいち記すのもメンドくさいので保留。

他にもグリニッジで見て回るところがあるよーなので、下山して次の施設を目指す。

クイーンズハウス・国立海洋博物館・カティサーク号を巡回。

クィーンズハウスは、これまた王家のお宝を展示。入り口で荷物を預けさせられるのがシュール。

国立海洋博物館は、舟やヨット、地図や航海道具などが展示。

残念ながら、木製帆船らしきカティ・サーク号は修復中で、再お目見えは来年とのこと。無念。

別のヌードル屋を見つけたので入店。

うっかりレジの前に並んだら、「Sit down」と睨まれた。はは、パブの習慣が抜けない。

身振り手振りで、「あれと同じものが欲しい」と、ラーメンらしきものを指差す。

「ポーク・スープ・ヌードル?」「イェス、イェス」

10分くらい待たされたか。文句を言おうとした矢先にブツが届く。

米のフォーに、豚の照り焼きを切って並べたのが6切れほど。ベトナム系か。

箸・レンゲの他に、フォークが突き刺さっているのがシュール。いただきまーす。

・・・味が薄い上、シャンツァイの風味が凄い。それでも、麺の魅力には抗えない。

肉は2切れ残して満足。さあ、ウェストハムを目指すか。

そうそう、伝票は各テーブルに渡すのではなく、レジに一括して置いてある。よくトラブルが起こらないな。

とりあえず、電車の駅を捜して、代替バスの発着場を捜してみる。

・・・呆気なく見付かった。

「Does this bus go to this station ?」

「Yes,next」

「Next?」

「Next」

急行電車みたいなもんで、Dが朝にタクシーを拾ったバスまで停まらないらしい。

バスは無料。19£を無駄遣いしたとも考えられるが、ブラックキャブに乗れたので悔いはない。

ウェストハムの本拠地の駅も近い。ありがたし。

車内で、ウェストハムのユニフォームらしきものを身に纏っている親子連れを発見。彼らについていけば、はぐれることはなさそーだ。

最後の乗り換え駅で、電車に乗り込もうとしたら、ハポンも真っ青の満員電車。1人の隙間もない。

しゃーねぇ、次の電車を待つか。次の電車もこんなんだったらどうしよう・・・

そんなことを考えていた矢先、Dの近辺で強烈な破裂音。

まさか、発砲か!? ここはハポンではないことを痛感。

幸い、次の電車はそんなにモロ込みではなかった。3駅くらいで到着だ。

ところが、目的駅直前で、電車が緊急停止する。降客があまりにも多かったのか、それとも本当に発砲事件があったのか、真相は定かではない。

10分くらい後、よーやく電車が動き出す。人並みに従っておけば、スタジアムまで連れてってくれるだろう。

駅前には、馬に乗った警官が2名。なぜ馬を出動させる必要があるんだろう。伝統か?

ブックメーカー発見。・・・ホーム勝ちのオッズしか載ってない。流石だな。

ウェストハムのユニフォームを着せられた犬発見。写真を撮らせてもらう。

飼い主は酔っ払っているらしく、何か話しかけられるが、「アイムノットグッドアットイングィッシュ」で逃げる。

リードを差し出していたところから察するに「散歩したっていーんだぜ」と言われていたのだと思われるが、試合開始時刻も迫っていたので、面倒事は避ける。

ウェストハムもアーセナルも、ロンドンがホーム。

その上、両チームはほとんど離れていない場所に本拠地を定める。

純粋なロンドンダービー。ゴミックズ vs H神 みたいなもんか。

それだけに、試合10分前にチケットが余っているという可能性は低い。

最悪、ダフ屋にお世話になるかもしれないな・・・と思いつつ、スタジアム周辺を回ってみる。

発見したであります、隊長!

「Ticket」と書かれたブースに、10mくらいの列ができている。

ブースはまだ閉まっていない。Dの番まで余っていればいーのだが・・・?

列の仲間に加わる。とすぐに、列のそばにいたおっさんが近づいてきて話しかけられる。

「チケットどーだ? 50£」

「50£?」

「そーだ。セイム」

怪しさ60%。魅力40%。

最も心配したのは、購入したチケットが偽物だった場合。

えーいままよ、騙されるのも旅の経験だ。

「OK。サンキュー」

「入り口はあっちだ」

交渉成立。

チケットには、入り口ゲートが記されている。半券のよーなものが付いていないのが不安。

とりあえず、チケットに記されてあるゲートを目指してみる。

・・・これが、入り口?

人1人がやっと通れるよーな狭いゲート。ジェイル・ハウス・ロックを彷彿とさせる。

「Card only」と掲げられているのも不安材料。Dのは、どーみてもチケットである。

試してみて駄目だったら、もう1度チケット売り場で並ぶだけさ。意を決して横1m,縦2m程度の長方形に飛び込む。

入り口には、センサーで読み取り式の機械と、腰ほどの高さに設定されたスウィングドア。

チケットをかざしてみる。反応がない。

やっぱり騙されたか・・・と思ったら、かざした側の反対側にバーコードがある。

「ピッ」

お、反応した。スウィングドアを押すと・・・開いた!

チケットには、個人名が記載されていた。おそらく、この人が会員となって購入したチケットだろう。

試合時間が迫っていた。ゲームも見たいしチケットも捌きたい。この人は、チケット売り場で1人連れの客を探していたに違いない。そこへDがのこのこと現れた。

チケットの額面は、51£となっている。つまり、おっさんの言ってたことは、全くもって正しかったワケだ。

狭い階段を昇り、3Fか4Fまで到達したところで、K子園もびっくりの大声援が聞こえてくる。

最後の階段を昇りきると、そこには感動が詰まっていた。

なんてきれいなスタジアムなんだ。

サッカー専用スタジアムなので、客席とピッチが近い。

綺麗に整備された芝生。大声援を送っている大量のサポーター。エンジと白とに色分けされた、ピッチ上の選手たち。

TVで見ていたのでは、決して味わうことのできなかった臨場感。

ああ、来てよかった。この感動を味わわずに、ハポンへ帰国する可能性があったなんて!

既に試合は始まっている。とりあえずDの席を捜す。

Dの席は、ゴール真裏の最後列から2番目。とは言え、陸上設備のあるハポンのスタジアムから比べると、ゴールが手に取るように近い。

座席まで行こうと思ったら、多くの人に立ってもらわないと歩いて通るスペースがない。席に辿り着いてホッと一息。

当然、周りはウェストハムのサポーターばかり。

「Which is West Ham ? Red or White」とか質問しているDは、とても間抜けに思えただろーが、ホームを応援した一心から出た質問。

アーセナルは好きだ。監督はベンゲル。N古屋で指揮を採っていたこともある。

プレミアのチームを挙げよ:マンU・チェルシー・リバプール・アーセナル。

ハポンでこんな質問をしたら、こんな回答が予想される。

アーセナルは、ハポンでも応援できる。しかし、ウェストハムはイギリスでしか応援できない。それに、この雰囲気が気に入った。

現在、アーセナルは首位を争っている。一方、ウェストハムはドベ2。まさに、人気も実力も、3年前の ゴミックズ vs H神。

前半は、ウェストハムが逆サイドに向かって攻めていく。前半20分、ウェストハム先制!

・・・かと思いきや、直前にファウルがあったよーだ。

返す刀で、前半21分にアーセナル先制。目の前でゴールシーンが見られたことに興奮するが、ここで喚起の声を上げたら、ラミレスのホームランにK子園のライトスタンドで大はしゃぎするよーなもんだ。

更に後半41分、コーナーキックから失点。0-2で前半を折り返す。

野球とサッカーの違いは、サッカーは休憩が1回しか取れないことだと思うんだ。

当然、トイレや売店はモロ込み。野球の方が、ホットドッグの売れ行きだっていーと思えるのだが。

トイレ。どんな便器かと思いきや、小学校の時の水道の、蛇口がないヴァージョンだと思えばよろしい。

ステンレスに向かって放尿。排泄物は、自然法則に従って流れていく。

下を向いたら負け。レモネードなんだと思い込めるよーなら勝ち。

すっきりした気分で、後半を迎える。

Dが前半に質問をした側とは反対の男性から、「Which number is the best player ?」と尋ねられる。

「I don’t know.・・・but,number 12 is good」

フォワードの黒人選手、12番。ポストプレーに積極的に貢献していて、ボールキープ率も高い。

「No.12・・・hummm」

なんかしたり顔だ。

本当は「アーセナルも4番もいい動きをしてますね」とも思っていたのだが、そこまでの自殺行為をするほどの勇気もない。

後半もアーセナルのボールキープ率が高いが、わずかなチャンスを、ホームチーム・デシジョンでフリーキックをもらっていく。

そして後半20分、ついにその時は訪れる。

ゴール右斜め45°からのフリーキックを、直接狙うもキーパーがはじく、

そのボールを、背番号12がヘッドで押し込み、ゴーーーーーーーーーーーール!!!!!!!!!

動画に収めることも成功。前半から、コーナーやフリーキックの度にカメラを構えていた苦労が報われた!

チームごとにシャント(応援歌)もあるらしく、一緒に唄えなかったのが残念。

掛け声なんかも定型句があるよーだ。これは、隣の人に聞―とけばよかった。

更に後半35分、またまた12番がペナルティ・エリアで倒される。

やった! PKだ!

周りは総立ち。掛け声バシバシ。カメラを構えているDも鳥肌が立った。

期待は裏切らず、12番ではない他の選手が決めて同点だ!!!

隣の人とハグしたい衝動に駆られたが、タイミングを逸した。

その後も、惜しいシュート、肝を冷やすシュートがあったのだが、2-2で終結。

サポーターたちは大興奮。どーやら、引き分けでも大殊勲だったよーだ。

試合終了後は、スタジアム前の屋台へ直行。

屋台といっても、ユニフォーム屋。これは買わねば!

・・・気に入るデザインがない。ここで慌てて買わなくても、まだ店はあるだろう。

入場時は急いでいたので、入場口の写真を撮ろうとしたのだが、帰宅時は入場口のシャッターが閉まっていた。残念至極。

スタジアムの正面玄関を撮影していたとき、「チーム公認ショップ」の存在を発見。早速入場。

・・・広いな。

具体的に、コンビニ4個分くらいの広さ。さっきの店で買わなくてよかった。

ホームのユニフォームも発見。どーやら、背番号と名前をタダで入れてもらえるサービスがあるよーだ。

「My name,OK ?」「OK」

12番の選手の名前は、Cole というらしい。何か聞いたことあるな。

彼の名前を入れてもらおうか悩んだが、結局は自分の名前を入れてもらうことに。

「背番号11:Dの本名」のユニフォームは、自宅に3着ある。

ユニフォームに40£、袖にワッペンを縫い付けてもらうのに6£。自分への最大のお土産。

レジでDの番が来る。

本名を苗字だけ公開しよう。

「これは、Jですか」「ちがいます。Jではありません。Gです。ABCDEFGのGです」

隣のレジから失笑が漏れたのは、Dの行動が子ども地味ていたからか、それとも店員はきちんと「G」と発音していたからなのか。

50£札を出すと、レジは透かしを確認している。新札・50£札は、警戒の対象らしい。

10分ほど掛かるとゆーことで、他のグッズも物色。Dは、すっかりウェストハムのファンになりました。

10分後、店の外で商品を受け取る。

「このプリントで間違いないですか」と示されたユニフォームには、こう印刷されてあった。

N A G A D

ネタで、このまま貰って帰ろうかとも思った。これでリアルDになれるぜ!

・・・いやいややっぱり、いつか後悔するときが来るだろう。伝票を片手に、修正を求める。

あ、プリントしたバイトらしき子が怒られてる。

「すいません、すぐに作り直しますんで」

無料かどーかの確認も忘れた。NAGAD の方も、半額くらいで引き取れないかな。無理だろーな。

K子園が、どの都市にもあるよーだ。応援がパない。

ETUのよーなチームが、ハポンにも根付いてくれることを願って止まない。

「何万ている向こうのサポーターが肩落として帰ってくなか・・・あいつらだけ胸張って上機嫌で帰るんだ。それを叶えられんのは、お前らだけなんだぜ?」(毎度お馴染み「ジャイキリ」11巻より抜粋)

ウェストハムのシャント。Dの耳は「サイモンオーソー、ローソーシンキン」と拾っている。

「ミドレソ、ソレミド」の、学校のチャイムのメロディ。動画の音声を確認して、ライトダウンしたい。

ユニフォーム担当の兄ちゃんが、盛んに話しかけてくる。

話に乗りたいのは山々だが、聞き取れないのではしょーがない。例のマジックワード「私は英語が苦手です」濫発。

「私はこの試合を見るためにハポンから来た。ホテルでチケットを受け取る予定だったが、郵便ストのため届かなかった。それでスタジアムに来たが、何とかチケットをゲットすることができた」

「ふーん、で、どーだった?」「エクサイティング!」

そんなこんなで、ユニフォーム完成。「今度は間違いないだろ?」的な顔が小憎たらしい。

スタジアムには、ホテルも併設されている。熱烈サポにはたまらんな。

帰りの駅の構内で、小太り男性2名のマジゲンカ。

とばっちりを喰らわない距離で、カメラを構えよーとしたら、「やめとけ」とウェストハムのユニフォームを着たおっさんに止められた。

大満足でホテル到着。あ、そうそう、「NISA」を写真に収めたいな。

・・・20:00を過ぎていたとはいえ、閉店時刻が早すぎないか?

部屋で早速ユニフォーム(もちろん上だけ)に着替えて、ロンドン最後の夜を、ホテルのパブで過ごすことに。

・・・この旅では、碌な夕飯を摂ってなかったな。

残念ながら、メニューにロースト・ビーフはなかった。「8ozのサーロインステーキ」を注文。

8oz。何と読む?

「80年代」のことかな。でも、それだと「z」じゃなく「s」のはずだしな。

「oz」が「オンス」だと気付いたときは、自分の頭をナデナデしてあげたかった。

1オンスが何グラムかだって? 知らんわい。

コンビニのサラダのよーに、ソースは別料金。この淡白なイギリス料理を、塩・胡椒だけで食せと?

注文は、レジまで並びに行かないといけない。大人しく列を守るハポン人。

・・・と、平気で割り込んでくるイギリス人。

ハポン人とドイツ人の行列好きは有名。環境はイギリスと酷似しているが、気質はドイツ人と似ていると思うんだ。

国のシステムも、イギリスかドイツどちらかを模倣している部分が多い。

性質のイギリスと気質のドイツ。よく考えたら、ヨーロッパで英語を使っているのは、英国だけなんだな。

他の国でも、通じるには通じるけど。

で、店員も店員で、割り込んできた注文に平気で応じるんだな。

ハポンなら、「すいません、他のお客様もお並びですので」と断るところだろう。

「Keep the line!」と叫んでやりたかったが、トラブルは避けよう、が今回の作戦。

ステーキとビール2パイントで20£くらい。高いのか安いのか。

コーラは、セルフのガソリンスタンドみたいなホースで、ブシューッと注いでくれる。こぼれないよーに上手く注いでいるのが不思議。

ビールは、下にコップ置き場があり、1度セットしたら、ゆっくり静かに自動で注がれていく。

泡もきちんときめ細かい。ビールを美味しく呑む工夫がなされている。

コスプレの打ち上げも行われているらしく、バーの一部がアキバ化。そーいえば、帰りの駅でもコスプレの集団を見かけた。最後の1人、恥ずかしいだろーな。

予想があまりにも妥当だったとはいえ、ステーキの大きさがパない。30cm皿どころじゃないな。40cm皿だ。

必死で、肉と付け合せの野菜を腹に詰め込んでいく。

白状しよう。機内のハイネケンが一番美味しかった。

満腹。部屋へ戻る前にフロントで、「明日ヒースローで帰国するのだが、今日は地下鉄が一部止まっていて酷い目に遭った。明日は大丈夫か」の旨を聞く。

「OK。全部動くよ。こー行くのが一番近いよ」 ご丁寧に行き方まで教えてもらう。

いや、それは分かってんねんけど。でも、断り方も知らんしな。

イギリス最後の夜。イギリスでやり残したこと。

(1)ダブルデッカー、できれば2階に乗りたかった。

(2)ローストビーフを食いたかった。

(3)オイスターバーに行きたかった。

(4)衛兵の交代式が見たかった。

冷静に考えると、(2)・(3)はハポンでも実行可能。(1)は、一応バスには乗車しているし、ダブルデッカーを写真に収めることには成功している。

ローストビーフは逃したものの、ローストポーク・サーロインステークは食している。

断言しよう。ハポンにある英国風パブの方が、ハポン人の舌にあったイギリス料理を提供してくれる。

(4)は、日程の都合上仕方なし。ウィンザー城で、いかにも衛兵! とゆー感じの写真はゲット。それで我慢しとけ。

今夜も今夜とてTVっ子。

スポーツニュースでは、本日開催のサッカーやクリケット、ラグビーにゴルフがメイン。

お、マンUは負けたのか。

日本でも話題になったが、前節、リヴァプールのホームで、子どもの投げ込んだビーチボールみたいなので、シュートの軌道が変わり、不幸な1点が献上された事件があった。

なんでそんなものがピッチ上にある状況で、試合がそのまま進められていたのかは不明だが、それを受けて、試合前に大量のビーチボールが投げ込まれる始末。

やっぱ、ニュースでは臨場感までは伝わらないな。

TVは、ベストショットを映し出すが、それは飽くまでも切り取られた情報。

選択肢は少ないが、フルチャンネルでアンテナを張り巡らせている臨場感には適わない、とゆーことか。

ソニー・パナソニック・DS・WIIなど、邦人メーカーのCMも多い。

WIIのCM。ハポンでM嶋N々子が宣伝してる、WII Fitが、役者を替えてそのまま流れている。

DSは、番組のスポンサーにもなってた。「BBB(Britain Best Brain)」が番組名。

内容は、「頭の良くなるDS」内のゲームを、視聴者参加で進めていくもの。ふーん。

「We buy any car(.com),We buy any car(.com),We buy any car(.com),any,any,any,any,・・・」

このフレーズの中古車買取CMが印象的。今でも脳裡に焼きついている。

寝る前に、帰りの準備をしておく。

行きの段階でも、スーツケースのキャパにあまり余裕はなかった。

買い込んだお土産を強引に詰め込むことに成功。服は縮むね。

明日はヒースロー10:00集合。お休みなさい。

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イギリス紀行文 其ノ伍

10月26日(月)&27日(火) 

イギリスでの朝食も、4度目でこれが最後。

食事が愉しみで待ち遠しいとゆーことは、ついに訪れなかった。

「オオ、あなたは~、今日が最後ですネ~」

初日の受付のおっちゃんか。あー、そーだよ。

続いて訪れた日本人カップルにも、親しげに(馴れ馴れしく?)振舞っている。

「オオ、カワイイ、オトコマエ~」

40ばかしのおばちゃん、戸惑ってるな。ま、無理もないか。

テレカの残り度数が大量に余っていたので、実家と54に連絡。

「残り、3ポンド20ペンスです」

昨日、54と10分は話をしたはず。

公衆電話で ロンドン → 東京 の料金は、1秒10ペンス。5£で50秒。

国際テレカ、安すぎだな。

「昨日はサッカー、見れたかい?」「はい、見れました。現地でチケットを入手できました。エキサイティングでした」

フロントにチップを渡すべきだったんだろーね。でも、タイミングが分かんねーや。部屋には、4日間の礼ということで、4£を置いてきたんだが。

Dの腹は、食後1時間以内に、激流が襲う。

ロンドン最後の電車の旅を愉しむのも束の間、強烈な便意に襲われる。やヴァい、ヒースロー空港まで保ちそーもない・・・。

ピカデリー線に乗り換える所で、駅員に便意を訴える。

そう、通常、駅にトイレがないのである。

恐らく、駅員専用のトイレであろう場所を、施錠を解いて入れてもらう。

ふぅ。

ぽちっ。

じゃー。

あれ?

全く、流れる気配がありませんよ?

どんなに頑固な坊やでも、少しずつは去ってくれるのに、水は動けど全くその場を離れよーとしませんよ。

ル○ンは、とんでもないものを残していきました。

だって、しゃーねーじゃん。流れないんだから。

開き直って、手を洗う。

あれ?

ソープは出ますが、ウォーターが1滴しか出ませんよ?

ここまでとは予想外! 大腸菌ピンチ!

てってけてってってーてーてーーん!

○ャッツビーーー!

○ラえもん「普通はこれで顔を拭くんだけど、きっと手に使っても同じ効果を得られるよ!」

3枚使った。

駅員に礼を言って、ピカデリー線に乗って、ヒースロー空港到着。

何はともあれ、トイレ直行。

地下鉄を降りると、すぐにカートが利用できる。

縦列駐車しているカートを、単品だけ取り出すのも苦労。レバーを下げないと動かないことに気付くのにも苦労。

「KLM」という窓口が見えたので、そこに行ってみたら「予約者はあっち」と突っぱねられる。

指示された場所では、美人スッチーが対応。チケットの引き換え、荷物の預け入れなどをやってもらえる。

出国検査はあったのかな? よく覚えてないや。

荷物検査は、ハポンを出るときと一緒。

長蛇の列で、コンベアも空いているのに、新しいゲートを解放してくれない。

お国柄か、それとも単に人不足か。

流石ヨーロッパ人、ガンガンとセンサーに引っ掛かってやがる。靴まで脱いでやがるのにな。

この国のヒューマンは、パブだろーが空港だろーが、どこでも平気で割り込んでくるなぁ。

さて、出発まで1時間。Dをボザーさせる、旅行時特有の行事。

お土産選び。

誰に、何を買えばいーのかさっぱり分からん。

おかんからは「ドイツの何とかっていうハンカチ買ってきて」という、非常に 具 体 的 な 注文を受けていたよーな気もする。

とりあえず、親父にはスコッチだろう。意を決して、免税店に飛び込む。

「私は英語が苦手です。でも、質問があるのです。私はこれからに本へ帰ります。アムステルダム、大阪です。機内には液体を持ち込めませんよね。もし私がここでこれらのお酒を買っても大丈夫ですか」

「OK!」

・・・OKらしい。

何を買えばいーのか分からなかったが、「バウモア」「ラフロイグ」と聞いたことのある酒名が。

迷った末、「バウモア」を選択。だって、10£くらい安かったんだもん。

レジでは、厳重に袋に封をされた後、ごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃ言われたが、Dのポカンとした反応に「Don‘t open it !」

本来は失礼な表現なのだろーが、これくらいシンプルな表現の方が分かりやすい。

ハポンの税関を抜けるまで、包装を破いたら無効になるよーだ。不慮の事故で破れたときは、どーするんだろう?

さっきの男性店員の接客が気に入ったので、追加質問。

「母にハンカチを送りたいのですが」

「残念ながら、当店では置いてございません。しかし、英国には『バルバリ』という、とてもよいメーカーがございます。あちらにございます」

バルバリ? 聞いたことないな?

とりあえず、指示に従ってその方向に向かうことにする。

あった、ありましたよ。

「Burberry」

なんだ、バーバリーじゃないか。

そー言えば、おかんにもばさまにも、誕生日にも母の日にも敬老の日にも、碌なプレゼントを贈っていない。

よし、いっちょ奮発してやるか。

「いくら?」「170£です」

涼やかな顔で、どえりゃー金額を口にするねー。

どーせGに両替しても、どえりゃー手数料を請求されるだけだ。スカーフを2枚購入。

残りは90£。そー言えば、兄貴にはK都で、一宿一飯以上の世話になった。新婚旅行の土産をもらった記憶が蘇ってくる。

とは言え、90£で買えるものも、限られてくるよな・・・。

(1)ネクタイ・ワイシャツ 日本でも買える上、セットで買おうとしたら軽く100£を超えた。

(2)酒   兄貴は酒を好んで飲まんのよ。

(3)タバコ も吸わんしなぁ。

(4)香水  兄夫婦は医者だぜ? 仕事中は無理だろ。

(5)チョコ に有難みを感じるかね?

「アイムジャストルッキング」で店員を遠ざけていたが、ついにある店員に捕まった。

「何をお探しですか」

「アイムジャストルッキング」

「どなたへのお土産を?」

「(・・・観念)兄と兄嫁に」

「失礼ですが予算は?」

「30£」

タバコやら香水やら、いろんなコーナーへ引っ張りまわされる。が、どれもピンとこない。

「こんなのもございますが・・・」

と最後に見せられたのが、香水の詰め合わせ。あ! これなんかいーかもしんない。

メンズ・レディズの両方があり、3つ買って88£。

3つ? Dも気に入ったんだ。

本当は、ジバンシーの匂いが気に入ったのだが、いろんなものを少しずつを好む血液型。Dも兄も兄嫁も。

ジバンシーは、この香水がなくなったら買うことにしよう。

これで、Dの財布はすっからかん。小銭をかき集めても、5£もない。

£ はなくなったが、日本に帰ったとき用に、2~3MGは所持している。これがDの生命線。

空港での接客と、道を聞いたときの一般人は好反応。それ以外の人間は無愛想。

繰り返す。日本の第3次産業は、必ずイギリスを駆逐できる。

チケットに出発ゲートがプリントされていなかった(空港の掲示板で確認しろ、ということだった)ので、ゲートを見つけるのに戸惑ったものの、無事に機内に到着。

アムステルダム行きの飛行機出立。

さらばイギリスよ、とか感傷的な気持ちは、これっぽちも芽生えなかった。

本日の最大にして唯一の目標:無事にハポンへ帰りつくこと。

機内では、修学旅行生らしき団体とぶち当たる。学生が元気で無遠慮なのは、どの国でも共通のよーだ。

アムステルダム到着。特にトラブルもなし。

乗継まで3時間くらい余裕がある。さて、何をして過ごすか・・・?

54から貰った5札がある。こいつを有効活用しよう。

サンドイッチ:5。食指が動いたが、消えるものに使うよりは、残るものに使いたいものだ。

ラーメン:15。ボリすぎだろ。

喫煙コーナーがある。喫煙者が大きな顔ができるのは、パチ屋と雀荘だけなのは万国共通。

ガラス張りの狭い檻に、ニコチン中毒者どもがギュウギュウに押し込められている。いい見世物だ。

とりあえず、お土産コーナーをうろうろうろうろ。

急に、兄への土産が香水でいーか、不安になってくる。

オランダ = オレンジ。サッカーのユニフォームから連想。

オレンジ色の、「Holland」とプリントされたネクタイを発見。

値段は・・・13

両替のレートは、1 = 160G。手数料を取られるのもシャクだしな。

作戦:日本人を捜して、G と  を両替してもらおう!

意を決して、親娘連れらしき2人連れに話しかける。

「あのー、日本からの方ですか?」

「はい?」

「率直に申し上げて、G と  を両替してもらえませんか? 実は、イギリス帰りで・・・」

「あ、£ しか持ってないんだ」

「その通りです」

「でも・・・私たちも買い物をしたいんで・・・ポンドが使えるか、聞いてみたらどーですか?」

玉砕。

今のDの容姿:優しめに見て、くまだまさしかクロちゃん。普通は、清原か乃木中将。詳しい職位は知らん。YMKSさんなら、知ってるんじゃないか?

そりゃ、怪しいと思うわなぁ。

とは言え、そのネクタイはDも気に入った。両替所でチェンジしてもらうことに。

結果:5kが27に。

ネクタイは2本買えるが、もう1つ気に入っていた、風車の置物が買えなくなるな。

もう1k追加。

係員、嫌そーな顔をしながら(多分、最低両替金額とゆーのがあるのだろう)、さっきのレシートとを返せと言って、6kで換金してもらえる。

結果:6kが32に。

54の5を合わせて、合計37

さいきょう。いま、よつば、さいきょう。

ネクタイ×2・風車の置物を合わせて、お値段:約32

あれ? 5、余っちまったぞ?

それでも執拗に妥協せず、気に入ったものを捜し続けて、6のリスの置物を発見。

よし! これで水車の置物を、1ランク落として1安いものと交換してもらえば、完全に  を使いきれる!

そう思って、レジのおばちゃんと交渉。

「あんたが買った置物は8。あんたが交換したいって言ってきた置物は9

・・・あれ?

「このリスの置物は、うちで扱ってるものじゃない。あっちのお店。

とっととリスを返してきて、最初の状態にリセットしちまいな」

ほうほうのていで、その場を立ち去る。

しかも、その騒ぎで、5札を紛失した。

 には、縁がなかったと思い込むしかない。すまん、54。

「すいません、1恵んでもらえませんか?」と、日本人客に頼めばよかったんじゃないか?

格言:1 を笑う者は、1 に泣く。

話は前後するが、両替所から土産屋を再訪する途中、「あ!」と声を掛けられる。

1秒間、Dの脳はフラッシュ。

行きの飛行機の隣人だと気がついた瞬間、Dも「あ!」と声を上げていた。

バースでのときも奇跡だと思ったが、今回のも奇跡。何たる人の縁。

少なくとも、現在のDは、独特の風貌を醸し出している。先方にとってみれば、覚えやすい目標であろう。

土産を買い終わって、搭乗手続き前のベンチで、その方とお話を続ける。

「ここ(ハポン行きの搭乗ゲート)まで来ると、もうハポンだなって気がするんですよ」

確かに、周りを見渡すと、どこから集まってきたのか、うじゃうじゃうじゃうじゃハポン人だらけ。

「私はコペンハーゲンで、お客様のところに缶詰でした。え? ロンドンでそんな苦労を? すごいなあ。そんな経験ができるなんて。普通は、ツアコンを頼むか、事前に思いっきり調べますよね」

・・・褒められてるのか、けなされてるのか。

Dの兄嫁も、マイルを頼むのが大好きである。父の還暦祝いのときも「私のカードで払わせて。その後で折半しましょう」と提案してくるくらいだ。

マイルが溜まると、ビジネスに座れたりできるそーだ。行きの機内のカラクリなんかも教えてもらえる。

「私たち、ラッキーだったんですよ! エコノミーだったのに、ビジネスに移ることができて」

前に座っているおばちゃんが、隣の仏人に得意満面で英語で話しかけている。そーか、乗車率がそれほどでもないときは、そんなに珍しいことでもないのかな。

隣人は、仏語も達者らしく、仏人と仏語で会話している。

「仕事で、1年ほど。スーパーでの用語くらいしか分からないので、ネイティブの速さで話されると、お手上げですけどね」

1年で、そこまで喋れるよーになるもんかね。

「モン・コーヤへ行くそーです。日本語で高野山ですね。いきなり通常会話に固有名詞が出てきても、何かフランスの地名だと思ってしまいますよね」

モンブラン。モンサンミッシェル。Mont。仏語は、語尾の子音を発音しない。

帰りの機内でも、隣人とは同じ列。ただし、Dは32Dの席で、隣人は32Iの席。結果的に、会話を交わしたのは、荷物検査のときが最後。

隣は、Dと同じよーな雰囲気を醸し出している御夫婦。あ、男性の方だけな。

ツアー客とぶち当たったらしく、添乗員がせっせせっせと動いている。

みんな、どーでもいーことでも添乗員を頼っている。ツアコンも大変だな。

帰りのエコノミーでは、椅子の後部にTV画面が取り付けられている。

帰りも、行きのよーにビジネスへの移動があるかも、とちょっぴり期待していたが、そんなことは木の根っこ。ある日せっせと野良仕事。

隣の893が、リモコン操作に悪戦苦闘。おせっかいと分かりつつも「こーするんですよ」と教授してみる。

飛行機の入り口で受け取れる、○日新聞の国際版が妙に懐かしい。

ビジネスとエコノミーの違い:エコノミーは、ずっと照明が落とされることがない。

アイマスクを用意していたDは、勝ち組。

スーツケースに入りきらなくて、長袖シャツにダウンジャケットで搭乗していたが、機内は殊の外に冷えるので、これまた成功。

冷えぴたクール。効果のほどは定かではないが、気休めにはなる。

そーいえば、スーツの上も持っていったが、ついぞ着用する機会はなかったな。

防寒対策と、ドレスコード。

機内食は、もちろん和食選択。わーい、わしょくだわしょくー。

ゼリーみたいな容器に入れられた水が配られる。

125ml。○クルト2本分。

口が寂しいときには、ダウンジャケットに忍ばせておいたサラミソーセージを。

DS? 機内では触る機会がなかったお。

流石に、日も跨ぐとあって、機内ではほとんどを寝て過ごす。起きて、デザートのよーな機内食を腹に詰め込んだら、いよいよ着陸態勢へ。

機内食のデザートって、どーしてあんなに甘すぎるのだろーか。

無事、関空到着。

トイレに行っているときも、荷物に対する警戒度が、イギリスにいるときの比ではない。こんあときが、一番危ないんだ。

入国審査を済ませ(入国カードを記入していなかったので、急いで記入しようとしたら「ここではパスポートだけでいーですよ」と言われた)、スーツケースを受け取り(しばらく、違う便の荷物受け取り場で並んでいた)、いよいよ税関へ。

やたらと、麻薬犬に嗅ぎまわられる。手を変え品を変え、違う犬に合計3度。

腹が立ったので、麻薬犬を撮影してやろうとカメラを構えたら、係員がつかつかをやってきて「すいません、ここは撮影禁止です」。

「それでも撮影したら、どんな罪に問われるんですかね?」と逆らおうとも思ったが、54に続いて、リアル・ターミナル3になるのは真っ平御免の介。

入国カードによると、ある程度以上の香水の持ち込みも、課税の対象となるらしい。

Dはそちらの方をビクビクしていたが、あちらはあちらで、他のことに関心があるらしい。

「お一人ですか?」「はい」

「イギリスは初めて?」「はい」

「ちょっと、スーツケース開けてもらえる?」

おいおい、他の客は素通りじゃんかよ。

「へえ~、イギリスはどーだった?」

荷物の間をまさぐりながら、明らかに実のない会話で間を持たせよーとしている。

「いつも、こんなに厳しいんですか?」

「うーん、最近は、芸能人の例の事件がね。使ってるってことは、どっかから持ち込んで来てるってことでしょ」

Dなら、大量に輸入するのが目的なら、こんあ馬鹿正直に税関を潜り抜けるなんて手段は、選択しないと思うけどなぁ。

「むこうぶち」江崎セカンドのよーな、日本近海での漁船による接触を試みるんじゃなかろーか。

麻薬類は、持ってるだけで罪に問われる。誰かがこっそり、Dのスーツケースにブツを忍ばせていたらと思うとゾッとする。

「香水は?」

「ああ、いくらくらいで買った?」

「9kほど」

「それなら免税の範囲。ただし、レートによっては課税となるギリギリのところだから御注意を」

晴れてハポン入国。実にすがすがしい気分だ。

Y駅までのバスターミナルを詮索。無事発見。

あと50分程度の間がある。とりあえず実家に電話。携帯がないので、財布と携帯をなくした2年ぶりくらいの公衆電話。

知人男性の車の後部座席で見付かって事なきを得たのだが、それ以来、Dの車には非常用の10G玉が大量に搭載されている。

「Y駅15:00過ぎに到着予定。荷物が多いので、Y駅まで来てもらえると助かる」

ふぅ。喉が渇いた。自販機発見。ポカリ購入。

自販機ってのは、対人が苦手なハポン人の象徴だな・・・とかボンヤリ考えていると、とんでもないことに気がつく。

バスの乗車券が、ない。

バス乗り場では、きちんとチケットを手にしているのを確認している。

それから・・・それから・・・胸ポケットに仕舞おうとして、大きすぎて諦めたっけか?

チケットには名前が記載されている。万一拾われても、乗ることも換金することも難しそーだから、バス会社に届け出ることが予想されるが、こりゃ、参ったな。

最悪、2kの臨時出費を覚悟。とりあえず、バス乗り場まで行ってみることに・・・

あ!

突如、天啓。

閃いた場所:公衆電話。

あったあったありましたよ! 公衆電話利用者が、ほぼ皆無の昨今で本当によかった。そして、ここがハポンで本当によかった。

N良へ帰るということは東向きに移動するということであり、バスの左側に乗れば太陽の影響を受けずに済む・・・。

右側に座ってから、気がついた。

前の席では、おばちゃんが関西弁で、コリアの感想を述べまくっている。

うっかりすると、ハポン語がハポン語として認識できなくなるから不思議だ。何か別の国の言語のよーに思えてくる。

15:00Y駅到着。S駅へは、朝と夜のバスしか運行しないらしい。

週刊将棋と、鍋の材料をしこたま買い込んで帰宅。

母との協議の結果、母に香水をあげて、義姉にはスカーフを差し出すことで決着。

母には、ストーンヘンジで購入した、銀の首飾りもつけておいた。

父と、義姉のことを「義姉さん」と呼ぶか「Tさん」と呼ぶかで論争になる。

Dには、身近に「姉」と呼べるような存在はいなかった。よって「義姉さん」と呼ぶのは、何か違和感を覚える。

父も母も長兄・長姉であり、父の弟夫妻も母の弟夫妻も、それぞれDの父母のことを「義兄さん」「義姉さん」と呼んでいるのも知っている。

アニメで、継母のことを「かあさん」と呼ばせるのをテーマに話が進むときもある。

全国の長兄・長姉以外の諸君、リアルにこんな経験をしたことはないかい?

イギリスでの購入物を机に並べてみる。・・・結構な量だな。

総じて、今回のイギリス旅行は、Dにとって非常に有意義なものであった。

また、海外に行ってみたいかと問われれば、微妙としか答えよーがないな。

長時間のフライト・ハポン語が通じない環境は大きなストレスだが、ハポンとまるっきり違う文化に触れられるのは大きな魅力。

Gと時間に余裕がないとできない。盆・正月には行く気がしない。あと半年、誰かに誘われたらまた考える。

以上、終わり。長文・駄文に付き合ってくれてありがたし。

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