昨年1次合格のDは、今年は2次から。ただし、1次免除の魔法は本年限り。今年も × だと、来年はまた1次からやり直し。
6月某日
1次の受験者数が発表。今年は昨年より100人増えて1000人超え。まー、1次合格者は変わらないだろーから、Dには関係ねぇ。でも、今年 × だと、倍率が今年以上と予想される来年の1次を受けるのが恐ろしい。
8月某日
1次合格者発表。1次合格者の数は昨年と大差なし。つまり、2次の倍率も大差なし。
8月某日
と思っていたら、採点ミスにより100名の追加合格。おいおいおい。
今年から校種によって教職教養の問題数を変えたそーな。ただし途中まで同じ問題。その結果、35問で設定したマークシートの採点機を、50問の校種にも適用しちゃった人為ミスが発覚。
察するに、再採点の結果、1度目の発表時の最低点合格者より上のヒューマンは合格にしたんだろーね。きっと、予定合格順位より下のヒューマンは、2次は受けさせてあげるけど無条件不合格。その代わり来年の1次は免除してあげるよとゆーことなのだろう。
飽くまでDの推測の域を出ない。根拠レス。
具体的に言うなら、本来の予定合格者数は320人。ところが再採点の結果、最初に合格と発表したヒューマンの1人が420位まで落ちた。
情報開示が認められているので、何で420位のコイツが受かっているのに400位の己は不合格なんだという御意見は高い確率で噴出。だったら420位以上は合格にしちゃえー。
でも、321位~420位のヒューマンは、本来なら不合格ゾーン。なら今年の2次は形だけのものにしておこう。その代わり、来年の1次は免除してあげて、公平に見てあげるよ。
飽くまでDの推測の域を出ない。根拠レス。
8月某日
実技試験。
今年は 体つくり運動 - 水泳 - マット運動 - 歌唱 - ピアノ の順。
今年は去年のようにトップバッターではなかったので、じっくりと周囲の様子を観察してから受けることができた。
体つくり運動。10mスキップ - 1m感覚で並べられた高さ10cm程度のハードルが5つ、これを3歩ずつで走る - ターン - サイドステップしながら頭上で1回手を合わせる - 180度ターンして同じことをする - ゴール。
体つくり運動の内容は当日発表されるので、事前準備がしにくい。だが、前半2つは昨年と同じ。まーいけるだろ。
とか思っていたら、スキップの後の慣性の法則がなかなかに激しく、最初のハードルで2歩しか刻めず。いきなり減点。
水泳。クロール25m。まー泳げるわな。でも、フォームとか細かいところが気になりだすと気になっちゃうんですなー。
マット運動。 側転 - 開脚前転 - 前転しながら足をクロスさせて後ろ向きに立つ - 伸膝後転。
去年と一緒。伸膝後転のフィニッシュで多少ぐらついた感はあったが、無難にこなしたと思う。
歌唱。今年の課題曲は「こいのぼり」「茶つみ」「ふじさん」。このうち1曲をランダムで指定される。
「こいのぼり」は「やねよーりーたーかーいー・・・」の歌いだしじゃないやつ。きっとみんな知らない。そして難しい。
そして「こいのぼり」が指定される。まー練習の成果は出す。
楽器演奏。出願時に「ピアノ」「リコーダー」「鍵盤ハーモニカ」を選択する。Dは一昨年ピアノで大失敗。今年はリコーダーで出す気マンマンだったのだが、「リコーダーはピアノより3割点数が低い」なるデマを払拭できず、結局ピアノで出願。
左手はコードをなぞるだけの簡単な演奏。ノーミスで終えたのが収穫。
4時間の拘束。いやー疲れましたなー。AリナミンV2本と熱中対策水を消費。
8月某日
2次2日目。 学科試験 - 小論文 - 自己PRシート記入 - 適性検査。
学科試験。高校入試レベルと思っていただければ。国語と社会は学習指導要領の内容も聞かれる。各教科の目標は覚えたが、ディープな内容は捨て捨て。
国語の答申と、理科の大問1個が丸々分からない。理科は+かーかの2択。Dが分からないんだったら分からんやつの方が多いだろ理論で弱気の虫を押し潰す。
小論文。今年はこいつを特に勉強してきた。大体のテーマなら定型文に当てはめてやるぜー。
・・・予想テーマと違いました。グラフ読み取り問題。Dが初めて受けたときと一緒の輩が問題作成に携わったなー。
2題目は「卒業生に贈る言葉」。これらを3600秒で1200字。強引に当てはめてやった。
昼食を挟んで自己PRシート。ただしお題が与えられる。「今まででぶち当たった最大の壁」「それをどう乗り越えたか。またどう職に生かしていくか」。
お題は当日発表の出たとこ勝負。1200秒なんでキツいキツい。3題目の小論文だぜー。思いつくまま空欄を埋める。
適性検査。まずはクレペリン。延々と数字が連なっている。隣同士の数を足して、1けた目の数を間に書いていく。延々と、延々と。
クレペリンを受けられるのは2次まで進出したからこそだが、毎年思うのは、もークレペリンだけは勘弁してくれということ。
間髪おかず、いや間髪くらいはおいたか、YG検査。スーパーD発動。説明しよう、スーパーDとは、Dの理想像のことである。
120個の質問に「はい」か「いいえ」か「よく分からない」で答える。
例:異性の友達はできない方である。
もちろん、スーパーDは「いいえ」にチェックしてやったぜぇ。
7時間の拘束。AリナミンV2本と熱中対策水を消費。
8月某日
2次3日目。 模擬授業 - 個人面接。
今年は外見にこだわった。7:00から散髪屋で頭を化粧。朝一の集合じゃなくてよかった。
インナーもパンツとシャツを購入。1kを超えるパンツなんてはじめて買った。アウターなら人目に付くから1MGでも何とも思わないのに。
靴下は100クィーン。黒けりゃ何でもいい。
実技試験のため、ダイエットも敢行。炭水化物抜きと毎日最低30分のチャリンコ。ダイエット開始時と比べて、これを執筆時で8kの減量。
いつものよーに図書室で待たされて、いつものよーに教室へ連行され、いつものよーに授業内容を記した紙を配られる。
今年は2次受験者が増えたためか、昨年のよーなスピーチはなし。今年のお題は6年理科。うっ、理科かよ。一昨年5年理科で落ちた酸っぱい思い出が蘇る。
420秒のシンキングタイム終了。ふと周りを見ると、紙を2枚持っていることに気が付く。やべ、いつも過去問で模擬授業してたから、教科書のコピーが添付されてあることに気が付かなかった。これは大いなる損失。
Dのとった行動:牛歩。
面接の教室まで1~3分の移動時間がある。何とかコピーの片面くらいは目を通すことができた。
600秒の模擬授業。今年は児童の回答もつぶやく作戦。「Aさん」「~と思います」「ふんふん、なるほど、とAさんは言ってるけどBさんはどう思う」「・・・な考え方もあると思います」「そーかそーか、なるほど」
DがAさんやBさんの言ったこともつぶやいているわけである。
無論、授業は途中で切られ、いよいよ1vs3の面接開始。
「この授業の面白いところはどこだと思うか」
「理科の嫌いな児童にどうするか」
「通知票を渡したら理科の成績が悪いと文句を言ってきた」
「それを聞いて児童が『なんか理科嫌いになったわ』とつぶやいた」
「授業中に寝る児童にどう対応するか」
「その児童の保護者が『疲れているので寝かせてやってください』と言ってきた」
「なぜS学校の教師になろーと思ったか」
「教師の不祥事についてどう思うか」
もっと聞かれたが、現在の記憶力ではこれが限界。冷静に眺めてみると、この質問にはこー応えておけばよかったなとゆー反省しかでてこない。
個人面接は1200秒程度。教室を後にした瞬間に、面接官の笑い声が響いた。あ、今年も × だな、と思った。どーせ
「何ですか今の模擬授業」
「返答もとんちんかんでしたね」
「何を言っているのかさっぱり分かりませんでしたよははは」
とかだろーな。終わった、という気持ちで9月も過ごす。
9月某日
合格発表。
3年前は県庁まで掲示を見に行った。一昨年はネット発表を印刷して1人でこっそり見た。去年はみんなで見た。今年は違う見方をしたかった。
Dの選択:郵送されてくるのを待つ。
9月某日
3日も掛かるなんて知らなかったよ! いつも翌日か遅くとも翌々日には届いていたじゃないか。
同僚の合格を知る。母親が受験番号を知っていて、同僚よりも先に合格を知っていたんだと。そして結果を知らない同僚に電話をしたんだと。今年 × なら、来年はこの方法をとろう。
帰宅して、エンベロープが靴箱の上にあることを知る。先輩が言っていた。分厚かったら × 。講師登録の紙が同封されているからだと。
そして、今年も分厚い。
ああ、 × だと思った。諦めの気持ちでエンベロープ上部をはさみで裁断する。
紙は3折り。覚悟を決して開こうとする。瞬間、2枚目の紙が目に飛び込む。
「合格されたみなさんへ」
まさか? まさか、 まさか!
1枚目を慌てて広げると、「合格」の文字ががががが!
念のために印刷しておいた、合格者受験番号一覧を確かめる。あった、Dの番号があった!
一応、 ○ だった時のシミュレーションはしていた。 ○ だろーが × だろーが、紙をそのままエンベロープに戻して親父に見せる。
が、奇声は抑えられないものだな。「やったー」を連呼していたよーに思う。
親父からは「今年は『不』は付いてないなー。『ふ』のない将棋は、何とやらやもんなー」と軽口を叩かれる。きっとずっと考えていたのだろう。
分厚かった理由は、身上書と健康診断。来月までに出せとのこと。健康診断、先月受けたばっかりですが?
過去3年、300位くらいの順位だったDが、今年は上から数えたほうが遥かに早い。昨年までと大して変わったところはないはずだが、300人抜きを果たした理由が分からない。200位くらいなら現実味があるのだが。
Dの記憶では、本当に受かりたい試験に合格できたのは、高校入試以来。大学も就職も失敗してきた。就職は入りたいところの最終面接に6回落ちてきた。よーやく、人生の最終試験に合格できた。
来春、Dは非正規雇用から脱却。同期とは干支が同じ。ちなみに今のお客様とも干支が同じ。
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